菅義偉総理は16日開かれた「まち・ひと・しごと創生会議」で「新型コロナウイルス感染症を機に地方に関心が高まっている」とし「東京一極集中の是正に確実につなげ、活力ある地方をつくっていかなければならない」と強調した。
菅総理は「農山漁村における人材活躍に向けた取り組みやデジタル化を通じた観光産業の生産性向上に向けた取り組みなどを通じ、地方の所得を引き上げ、地方経済を活性化する」とした。
また「テレワークなどにより現地を訪れずに地域に関わる取り組みやスポーツを通じた地域活性化の取り組みなどを通じて都会から地方への人の流れを作り出すことにより、活力ある地方づくりに向けて取り組む」とした。
この日の会議では新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定を了承。「地方創生の取り組みを着実に行うとともに、感染症による影響 を踏まえ、デジタル・トランスフォーメーション、脱炭素社会(グリーン社会)、 地方創生テレワーク、 魅力ある地方大学の創出、オンライン関係人口、企業版ふるさと納税(人材派遣型)、スーパーシティ構想などの新たな地方創生の取り組みを全省庁と連携を取りながら総合的に推進する」などを確認した。
デジタル・トランスフォーメーションでは「民間のデジタル専門人材の市町村への派遣等を着実に推進する」「交付金を創設し、地方創生テレワークの推進により地方へ の新たなひとの流れを創出する地方公共団体の取組を支援する」などをあげた。
魅力ある地方大学の創出では「地方公共団体が先導し、大学、産業界等の連携により地域に特色のある研究開発や専門人材育成等を行う優れた取り組みについて、引き続き地方大学・地域産業創生交付金等により重点的に支援を行い、産業振興・若者雇用の促進に向けたキラリと光る地方大学づくりを進める。また地方公共団体と大学とのマッチングを進めるとともに、大学等による創意工夫に基づく取組を促進するための環境整備により、地方へのサテライトキャンパスの設置を推進するなどとした。
東京への一極集中是正では特定地域と継続的に多様な形でかかわる人口を増やし、地方移住への裾野を拡大していくとしている。ただ東京への一極集中傾向はこれまでの取り組みでも歯止めできておらず、課題が多い。2019年時点で東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の4都県)の人口は約3700万人、総人口の29%を占める。2019年東京圏から転出したのは35万2000人、転入は49万8000人。14万6000人が転入超過になっていた。(編集担当:森高龍二)