萩生田光一文部科学大臣は9日の記者会見で女性蔑視発言をした東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の進退についての認識を記者団に聞かれ「私自身は残り半年になった東京五輪に向け、頑張ってもらいたいと思うが、菅義偉総理も言っているように、組織委員会は政府から独立した法人なので、自ら判断すべきものと考えている」と答えた。一方で、森会長が責任をとり辞職した場合「たぶん、一緒に責任をとって辞めるという方が出てくる可能性も否定できない」と語った。
萩生田氏は「与野党の政局的なものではなく、まずかったことは大いに反省しながら、残り半年、どうやったら成功に導くことができるのか、みんなで知恵を出すべきではないかと思う」と述べた。
また萩生田氏は「国際間のこれまでのやり取りはああいった(森さんの)キャリアがなかったらできなかったと思う。私はIOCのオリンピックに対するすべてのものに賛同しているわけではない。少し経済にシフトしたオリンピックのあり方というのは見直す良い機会ではなかったのかと思っている。そういう意味で、東京としての在り方を発信し続けることができたのは良かったのではと思うし、森会長が先頭にいたからではないかと思う。また1年延長でも経済界、スポンサーが変わらなかった功績もあるのじゃないか」と森会長を評した。
一方で萩生田氏は「森会長のああいった発言は大きく組織を傷つけるものでるので、そこは大いに反省してもらって、残り半年なので、本来の業務で、先頭で頑張っていただきたい」と続投希望の思いを語った。
萩生田氏は「人心を一新したら組織が活性化して加速するのか、というと、そこはちょっと、私はわからない」とも述べ「(森氏の辞職で)たぶん、一緒に責任をとって辞めるという方が出てくる可能性も否定できないし、失敗は失敗として、ちゃんと足元をみながら、力を合わせて頑張ってほしいと思う」と森会長が辞職した場合の影響についても言及した。
しかし、森会長の発言はオリンピック憲章に反するものだっただけに、会長不適任として辞任を求める声は日に日に大きくなっている。ヤフー「みんなの意見」(10日午前9時半現在)では47万人が投票し、このうち9割にあたる43万人が「辞任するべき」としている。続投は4万人に届いていない。(編集担当:森高龍二)