東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は女性蔑視発言をした森喜朗会長に対し、オリンピック憲章に反する発言で「会長ポストにふさわしくない」として、辞任を求める世論が大きくなっているほか、大会ボランティア参加辞退者が相次ぎ、菅義偉総理も8日の衆院予算委員会で森会長発言に「国益にとって芳しいものではない」と答弁するなどしていることから12日に会合を持つもよう。
菅総理は8日の予算委員会で立憲民主党の早稲田夕季議員から「森会長の女性蔑視の発言は国益にかなうか、かなわないか」と問われ「国益に芳しくない」と答えた。早稲田議員が「それなら続投するべきではないのではないか」と質したが「私が判断する問題ではない」と要請する姿勢もみせず、会長続投か辞任か、会長ポストの人事案件は「組織委員会の理事、評議員が決めること」と組織委員会に責任を全て振った。
SNS上では「さすがにこの会合で辞任しなかったら自浄作用なんて全くないと世界中に喧伝(けんでん)するようなものになる」「臨時会合の結果次第では、森氏と組織委員会だけでやる五輪になるかも」など厳しい声が相次いでいる。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで東京新聞が9日報じた「森喜朗会長の女性蔑視発言を巡り、本紙は、会長を解職する権限を持つ組織委の全理事34人(森氏を除く)の意向を探った。回答した14人からは辞任を求める声は出ず、退任を求める世論との開きが鮮明に」との記事を紹介したうえで「何ということか。組織委員会自体が深く信頼を損なうことになる」と憂慮した。
東京新聞の報道(電子版)では理事14人個別の声要旨が紹介されており、「本人が謝罪、撤回している」「最後まで全うしていただきたい」「ご尽力いただきたい」などの意見だった。12日の会合でどのような姿勢を見せるのか世界が注視している。(編集担当:森高龍二)