日米首脳電話会談 五輪の発表内容に齟齬?

2021年02月11日 07:04

立憲民主党の福山哲郎幹事長は9日の記者会見で菅義偉総理は1月28日、米国・バンデン大統領と電話会談した際「今回は東京オリンピック・パラリンピックに関するやり取りはありませんでした」としていたのに、バイデン大統領はラジオ番組で「安全に(五輪が)開催できるかどうか科学に基づいて判断されるべきだ」との意見を菅総理に語ったとされており、日本政府発表との間に齟齬があると指摘した。

 そのうえで「日本政府が、菅総理がやり取りしたことを隠していたとしたら、問題と思う。バイデン大統領が『科学に基づいて判断されるべきだ』ということを言ったのだとしたら、なぜそのことを隠したのか、やり取りがあったのか、なかったのかも含めて明確にしてほしい」と提起した。

 菅総理は1月28日のバイデン大統領との電話会談後の記者会見でも「今回は東京オリンピック・パラリンピックに関するやり取りはありませんでした」と語っていた。「科学に基づいて判断されるべき」と開催の是非検討の提言が、開催ありきで動く日本政府や森会長らの姿勢と沿わない提言であったためではないか、との見方もある。電話会談の事実関係が問われている。

 また福山氏は女性蔑視発言をした東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の進退について「菅義偉総理も自民党内も(森会長の発言が)日本の国際的な信頼をおとしめていることについて対応いただきたい」と政府、自民党に適切な対応をするよう求めた。

 福山氏は森会長発言が五輪憲章に反するものであること、発言を受けてボランティアが400人近く辞退したこと、国際社会からも非難の声があがっていることなどをあげ、こうした事態を招いていることを残念だとした。(編集担当:森高龍二)