長引くコロナ禍の影響で、テレワークや外出自粛など、自宅で過ごす時間がこれまで以上に大切になっている。三度目の緊急事態宣言の対象となった4都府県やまん延防止等重点措置の対象地区に住んでいる人たちはとくに、痛感しているのではないだろうか。
住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」の調査研究組織「RoomClip住文化研究所」が4月20日に発表したレポート『新型コロナで変わった暮らしと住まい』によると、「コロナがきっかけで新設/増設した空間はありますか?」という質問に対し、64%もの人が「ある」と回答していることが分かった。その内訳は「食品のストックを収納するためのスペース」(23%)「おうちの外で過ごすためのスペース(ベランダや庭など)」(17%)、「趣味の時間のためのスペース」(16%)、「息抜き/リラックスするためのスペース」(16%)「子どもが遊ぶためのスペース」(15%)となっている。これをみると「食品のスペース」以外はいずれも、実用的というよりはむしろ、解放的なくつろぎの空間を求めていることが分かる。
また、矢野経済研究所が2月に公表した短期的な市場トレンド調査の結果でも、2020年第4四半期の住宅リフォーム市場規模は前年同期比14.6%増の2兆1064億円となっており、異例の拡大がみられた。同社では、コロナ禍がなかなか収束しない中でも市場が回復している要因として、レジャーや旅行などの支出が減った分、住空間への支出が増えたと推測している。
リフォームだけでなく、住宅関連各社もこの動きに敏感に反応している。
例えば、ロボットを活用した無人のモデルハウスをいち早く導入するなど、住宅メーカーの中でもコロナ禍に迅速に対応して業績を伸ばしているアキュラホームは、「ウィズコロナ時代の新生活様式の家」として、業界初のウイルスバキュームクリーナーや、日本初のウイルスキラーエアシステムを搭載した住宅を提供してきた。そんな同社が、今度は独自の最新木造施工技術によって実現した「超空間の家」を4月24日に発売開始したのだ。同住宅は、木造住宅における最高クラスの天井高や約6mを誇るワイド開口が特長だが、驚くべきはその提供価格。建坪32坪2階建てで、本体価格1665 万円(税抜)~、金利0.7%の住宅ローンを35 年の期間で組めば、月々の返済が何と4 万円台という破格の設定だ。
従来、広い空間の住まいは木造では非常に高いコストでしか実現できず、富裕層向けの住まいというのが定番だった。ところが同社では、新木造の開発によって大幅なコストダウンに成功し、普及層でも充分検討可能な価格にまで引き下げたのだ。鉄骨造で同様の間取りを建築した場合と比較しても、400万円を超えるコストメリットがあるという。もちろん安普請ではなく、ZEH(ゼッチ)基準を超える断熱性能をも備える高性能住宅だ。開放的な空間で且つ光熱費も抑えられる、ウィズコロナ時代の住まいとして人気を集めそうだ。
また、リフォームも新築も難しい人には、マンスリーマンションの需要も高まっているようだ。
感染防止策の一つとして、多くの企業でもテレワークやリモートワークが導入されているが、自宅では「家族がいて集中できない」、かといってホテルでは「長時間の業務が難しい」「室内に印刷機器がない」「通信速度が遅い」など、様々な問題が顕在化している。そこで、セカンドハウス的に利用できて、テレワーク環境も整っているウィークリーマンションの人気が高まっているのだ。例えば、東京23区内のビジネスエリア周辺を中心にマンスリーマンションを運営するレジデンストーキョーは、約800室のマンスリーマンションを活用し、テレワーク対応型家具付きマンションとして「ビジネスレジデンス」を展開。 これがヒットし、サービス開始から昨年末までの累計利用が1500件を達成する人気ぶりを見せている。
度重なる緊急事態宣言の中、ストレスの限界を感じている人も多いだろう。そんな人はとくに、住環境の改善や自身の働き方を改革してみてはいかがだろうか。コロナ禍での生活も一年を超えて、それに対応する社会環境も整いつつある。新築でもリフォームでも賃貸でも、きっとあなたの心を開放してくれるウィズコロナ時代の暮らし方や住まい方が見つかるはずだ。(編集担当:今井慎太郎)