まるで、お宅訪問? 住宅メーカーが仕掛ける、コロナ時代の「幸せ」を見つけるモデルハウス

2020年09月06日 09:14

小林さんち。

積水ハウスは9月1日、茨城県古河市の「関東 住まいの夢工場」で、「みんなの暮らし 7stories」を公開

 新型コロナウイルスの流行は、私たちの生活を大きく変えた。感染拡大防止のためのマスク着用や手洗いうがいの励行はもちろんのこと、リモートワークの導入など仕事環境を大きく変革した企業も多い。子どもたちの生活も例外ではない。オンライン授業を取り入れた塾や学校も増えている。

 モバイル専門の調査機関であるMMD研究所が実施した「2020年 コロナ禍におけるビジネスパーソンの生活実態と副業に関する調査」によると、回答した2,169人の内約67%にあたる1454人が「在宅時間が増えた」と答えている。また、「在宅時間が増えて良かったと思うこと」という質問(複数回答)には、25.3%の人が「自分の時間が増えた」と回答。次いで「家族と過ごす時間が増えた」が21.3%、「通勤ストレスが解消された」が16.7%となっており、コロナ禍での変化がマイナス面だけでなく、プラスのメリットを感じている人も多いようだ。コロナウイルスが収束した後も、こういったメリットを享受して、この新しい生活様式は引き継がれていくのではないだろうか。

 在宅時間が長くなると、これまでよりも一層、住宅の居心地が大切になる。住まいはこれまで、寝る場所、帰る場所、くつろげる場所という位置づけが中心だったが、これからは「働く場所」でもあり、「趣味を楽しむ場所」にもなる。家族と共に過ごす時間も当然、長くなるので、一家団らんできるスペースだけでなく、それぞれの時間を尊重できる空間づくりも重要になるだろう。

 そんな中、積水ハウス〈1928〉が、これまでになかった新しいコンセプトのモデルハウスをオープンして話題を呼んでいる。同社はこれまで、完全予約制でゆっくりと見学できる住まいの体験型ミュージアム「住まいの夢工場」を東北、関東、静岡、関西、山口の全国5ヶ所で展開しているが、茨城県古河市の「関東 住まいの夢工場」で9月1日に新たに完成した7棟のモデルハウスは、従来型のモデルハウスとは一味違う。快適さなどを説明的に伝えたり、先端技術を一方的に提案するようなものではなく、誰かが本当に住んでいるかのようなリアルな暮らしを「〇〇さんち」というかたちで演出し、まるで友人宅を訪問したり、未来の我が家を疑似体験するような気分で見学できるライフスタイル型モデルハウスなのだ。ミレニアル世代からアクティブシニア層までの暮らしをリアルなストーリー設定に落とし込み、彼らの暮らしを想定した多彩な7棟「みんなの暮らし 7stories」が用意されている。

 例えば、『「子育てファミリーの家」小林さんち。』では、35歳の夫婦、7歳と1歳の姉弟が暮らす東京都・若葉台の新築を想定。フルタイムで働く共働き夫婦が、育児と家事を両立して家族だんらんの時間を取れるように様々な工夫が盛り込まれている。家族みんなで「衣家事」を楽しむ空間や、子どもがのびのびと遊べる大空間リビング、多様な働き方をサポートする在宅ワークスペースまで、居心地よく暮らせる提案を行っている。

 また、『「アクティブシニアの家」山本さんち。』では、二匹の猫と暮らす65歳のアクティブシニアの夫婦が、東京都の八王子に新築したという設定で、落ち着きのあるリビング、シーンに合わせて可変ができ、家の中心となるダイニングキッチン、半独立型の寝室、季節の変化を身近に感じられる縁側など、シニア夫婦が健康で楽しく、そして、お互いが自分らしく充実した自宅時間を過ごすためのストーリーが描かれている。自宅時間を充実させるための工夫として、自宅で、運動習慣を身につけられる、「おうちでフィットネス」や、夫婦二人で非日常感を感じながらお酒を楽しむ「うちdeバル」を提案している。

 他にも、エコやオーガニックな暮らしを大切にする夫婦が、室内の吹き抜けにシンボルツリーを配置するなど、グリーンを多く取り入れた3階建ての住宅『「グリーンと暮らす家」森さんち。』や、家族共通の趣味がアウトドアで、自宅でバーベキューが楽しめるテラスがある『「アウトドア好き三世代の家」外山さんち。』など、まさに多種多様な暮らし方。きっとどこかの住宅では「共感」を得られるのではないだろうか。

 約18,500平方メートルの敷地を誇る「関東 住まいの夢工場」ではこのほか、テーマごとに体験できる施設もあり、先進の技術展示をはじめ、地震体験、火災実験、破壊・衝撃実験など建てた後では見ることのできない壁の中の構造の特長や工夫など、安全・安心・快適で健康な住まいづくりの秘密を見学することができる。実際に新築を検討している人はもちろん、リフォームや、将来的な住宅購入計画の参考にもなるだろう。

 コロナ禍で世の中がネガティブになりがちだが、沈んでばかりいると幸せは遠ざかってしまう。家族と過ごす、自分らしい時間を持つ。在宅時間が増えたことを機に、そんな「幸せ」を探してみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)