OIE連絡協メンバーや発言者示して概要公表へ

2021年06月18日 06:52

 農林水産省はアキタフーズを巡る問題で第三者委員会からの報告書を踏まえ、17日までに改善策をまとめ、発表した。アキタフーズ(広島県にある鶏卵生産販売の大手)を巡っては同社の元代表から大臣室で現金500万円を受け取った収賄容疑で吉川貴盛元農林水産大臣=議員辞職=は起訴されている。

 検証委員会が「家畜・家禽のアニマルウェルフェアも含めてOIEの様々な国際基準への対応を検討していくに当たり、OIE連絡協議会のメンバーの選定手続を再検討し、特定意見に偏ることがないようメンバー構成の多様性や議事運営の透明性を向上せよ」とした点について。

 農水省は(1)メンバー構成を川中、川下、消費者、環境分野も含めたより多様なものとする。(2)関係団体からの推薦を受けてメンバーを選定する際は推薦理由を確認できる文書(推薦状)の提出を求める(3)メンバー選任に当たっては審議会委員の選任の基準(女性比率30%以上等)に準拠する(4)議事運営について現状の事務局による進行ではなく、互選等により進行役を置いて議事を進行する(5)発言者を明示した議事概要を作成し、出席者の確認をとった上で公表する、とした。

 農水省は「OIE連絡協議会と類似の機能を持つ他の協議会(コーデックス連絡協議会、国際植物防疫条約に関する国内連絡会)も同様の見直しを行う」としている。

 報告書が「我が国におけるアニマルウェルフェアの推進に当たって、より科学的・戦略的に対応していくべき」としたことに対しては(1)アニマルウェルフェアに関する最新の科学的知見や国際的動向を考慮した施策を推進するため、 国内外の研究機関等におけるアニマルウェルフェアの向上に資する研究成果の収集、各国(欧米諸国、アジアモンスーン地域等)のアニマルウェルフェアへの取り組みに関する調査、流通・食品加工・外食・小売事業者等のアニマルウェルフェアに関するニーズの把握を恒常的に調査する。そのうえで、情報共有し、幅広い関係者による意見交換の場を定期的に開催する」とした。

 利害関係者との会食に関しては「政策形成上重要な役割を果たしている本省幹部職員(室長以上)を対象に飲食の届出に関する省独自ルールを新たに設ける」とし、具体的には(1) 利害関係者と飲食を共にする場合、金額に関わらず全て届け出るものとする(2) 農林水産省の政務三役及び利害関係者と飲食を共にする場合、会食の場でのやりとりの概要を作成し、届け出るものとする(3)職員が利害関係者と飲食を共にする場合は自己負担費用を証明する書類を入手し、保存するよう徹底するとしている。

 また(4)国家公務員倫理規程や省独自ルールに基づく飲食の届出を徹底するとともに、届出があったものについて倫理監督官が中心となって国民の疑惑を招くような会食がなかったか定期的にチェックする(5)国家公務員倫理審査会事務局を講師とし、幹部職員を対象に研修を行うなど公務員倫理の遵守徹底を図る(6)国家公務員倫理規程に違反する会食が確認された場合には厳正に対処し、公表していなかった懲戒処分に至らない省内ルールに基づく矯正措置を行った事案についても公表を行う(7)政務が交代する際に、今般の違反事案及び国家公務員倫理規程や省独自の飲食の届出に関するルールについて文書で説明する、とした。(編集担当:森高龍二)