農水省も事務方トップら6人を倫理違反で処分

2021年02月28日 08:56

 官僚のモラル低下が著しい事態が続いている。総務省幹部職員多数が利害関係者から供応接待を受け、懲戒処分を受けたのに続き、農林水産省も25日、幹部職員が利害関係事業者からそれぞれ数万円の飲食接待を受けていたとして、事務方トップの枝元真徹事務次官ら3人を減給10分の1(1か月)、ほかに3人を戒告や訓告処分にしたと発表した。

 減給10分の1(1か月)は枝元事務次官のほか、水田正和生産局長、伏見啓二大臣官房審議官。戒告は渡邊毅畜産部長、望月健司農地政策課長。懲戒処分に当たらない訓告処分は犬飼史郎畜産振興課長。今回の責任を取り、野上浩太郎農林水産大臣は大臣給与1か月分を自主返納する。

 農水省の説明では「幹部職員らは??川貴盛元大臣からの招きを受け、政治家及び利害関係がある事業者と共に飲食した際、費用は政治家が負担するものと考え、費用を負担しなかったが、飲食費用を利害関係事業者が支払っていたことが分かった」としている。後に事業者に返金した、と全くお粗末な対応だった。

 再発防止のため、農水省は(1)政治家や利害関係者が同席する会食に職員が参加する場合は費用の金額や費用を誰が負担したのかの如何を問わず、大臣及び倫理監督官に届出を行わせる。(2)大臣から全職員に公務員倫理の遵守を徹底するよう文書等で強力に指導するとともに全幹部職員を対象に倫理に関する研修会を開く(3)畜産関係団体に倫理規程等について周知・徹底する、などとしている。

 吉川元農林水産大臣は大臣時代に大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」(本社・広島県福山市)の元代表から現金500万円を受け取った収賄容疑で東京地検特捜部の捜査を受けている。吉川元農林水産大臣は昨年12月22日、衆院議員を辞職。業界に便宜を図ってもらう目的での現金授受だったとみられている。(編集担当:森高龍二)