防衛省は沖縄県が名護市辺野古基地建設に伴うサンゴ移植の許可について「移植条件を守っていない」として沖縄県が取り消したことを不服として、2日、農林水産大臣に許可撤回の取り消しを求める審査請求と撤回効力の執行停止申し立てを行った。
玉城デニー知事は「サンゴの生存率を低下させることになり、水産資源保護法の趣旨に反する」と一端認めたサンゴ移植の許可を取り消した。
岸信夫防衛大臣は3日までの記者会見で「移植については専門家の助言を踏まえた上でサンゴ類の保全に十分配慮して適切に実施された。特別採捕許可を取り消されるべき理由がない」とした。
また「いわゆるJPK地区は7月28日から11カ月間、I地区は7月28日から2カ月間が許可期間となっているが、夏季とされる7月から9月が、その時期をもって移植を制限するということになれば、I地区については全く許可されていないに等しい」とも語った。
そのうえで岸大臣は「7月29日から移植を開始できたことを理由に取消処分をしたことは違法、また、取消処分が聴聞を伴わない形でなされ、行政手続法に反して、これも違法と考えられる。詳細は審査手続き中であり、差し控える」とした。ただ、行政不服審査法を国が使うことには行政法学者から法の立てつけから疑問視する意見もある。
これに岸大臣は「行政処分については行政不服審査法によって、簡易・迅速かつ公正な手続きのもとで、広く行政庁に対する不服申し立てをすることができる制度だ。沖縄防衛局はこの法律に従って手続きを進めて行ったもの」と説明した。(編集担当:森高龍二)