自民党の岸田文雄総裁は1日には党役員人事を確定するが、30日までにURを巡る口利き疑惑に政治家として説明責任を果たしていない甘利明・党税制調査会長(麻生派)を幹事長ないし官房長官に起用する方針との情報が流れると、日本共産党の志位和夫委員長は「国民にていねいな説明を行いたい、といった途端に、国民に何の説明もしなかった人を要職に起用するとは、一体どういうことか」と強い疑問を提起した。
甘利氏が仮に官房長官にでも就任すれば、国会はまたもや政治的追及材料になることは必至。「生まれ変わった自民党」とは程遠い事態になりそう。「政治とカネの問題を野党から蒸し返されるだけ」との懸念の声もある。
志位氏は「自民党総裁選の結果は自民党が政治の中身では『安倍・菅直系政治』を選んだということ。岸田氏は9年間の安倍・菅政治を重要閣僚・党の幹部として中枢で支えてきた。表紙だけ変えても、中身は変わらない。今求められているのは行き詰まった自公政治そのものを終わらせる政権交代」とも発信している。
ネット上では「甘利さんが表舞台に立てるのは、ご自身の疑惑をしっかりと丁寧に説明してからでしょう」「甘利が幹事長になろうものなら折角の新総裁誕生による高揚感に水を差す」「代わり映えしない安倍色全開の人事だ」「自民党では9年前から身体検査を廃止しました。誰を選んでも『何か』出てくるし、一番ヤバい奴が7年半も選ぶ側でしたからね」との声も。
立憲民主党の辻元きよみ副代表はツイッターで「岸田新総裁、おめでとうございます。私も宏池会の先輩の加藤紘一さんや古賀誠さんからご指導を受けました。保守本流、『リベラル』と謳われた宏池会の魂を安倍元総理らに売って総裁の座を掴んだと言われないように」と発信。そのうえで「次は野党との予算委員会での徹底議論ですよ。選挙の前に正々堂々と」と4日召集の国会では予算委員会を開くよう、強く求めた。(編集担当:森高龍二)