自民党の二階俊博幹事長は17日夕の記者会見で、2019年夏行われた参院選挙での広島選挙区から党公認で立候補した河井案里氏側へ党本部から提供された1億5000万円について「私は関与していない」と明言した。
林幹雄幹事長代理は「当時(二階氏が)幹事長であったのは事実だが、実質的には当時の選対委員長がこの広島に関しては担当していたわけで、そういった意味では細かいことは幹事長は良く分からないということだ」とフォローした。河井氏を実質的に担当したのは選対委員長だった安倍氏盟友の甘利明元経済再生担当大臣と林氏が説明した。
しかし、自民党を仕切る幹事長が巨額の党費支出に全く関与せずに、甘利氏が支出できるのか、党総裁だった安倍晋三氏の了解のうえでの措置ではないのか。河井氏側に提供された額のうち、1億2000万円は税金原資の政党交付金であったことを踏まえれば、自民党は公の国政政党として国民に経緯を説明する責任がある。
林幹事長代理は「1億5000万円に関しては前々からご報告しているように、検察の方から書類がまだ戻っていないわけですから、戻り次第、報告書を作成して、総務省に届けることになっております。今しばらくお待ち願いたい」と記者団に答えた。
二階幹事長は18日、「党本部の責任はわたしにある」としながらも「個別の選挙区の選挙戦略や支援の方針はそれぞれの担当が行っている」と改めて、河井陣営への1億5000万円には関与していないことを強調した。
林幹雄幹事長代理は当選無効になっても、無効が確定するまで、歳費が議員資格のない者に提供され続け、受給した歳費は返還しなくていいなどから批判が出ている問題に関して、記者団から歳費法の検討、国会議員の歳費を返還できるようにしたり、停止できるようにしたりする仕組みづくりについて、どのように検討するのかと聞かれ、政調会長の下でPT立ち上げを用意しており「政調会長に一任しているので、間もなくだと思う」と語った。(編集担当:森高龍二)