麻生氏発言に、岸田総裁が「申し訳ない」

2021年10月28日 06:24

 自民党の麻生太郎副総裁が北海道での街頭演説で「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」などと農家の苦労や品種改良による努力を置いて、北海道のコメがおいしくなったのは地球温暖化のおかげと温暖化歓迎と受け取れる発言をしたことに、自民党の岸田文雄総裁(総理)は26日、BSフジの番組で「(発言は)適切ではなかった。申し訳ないと思う」と語った。

 麻生副総裁は「温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなったろ。北海道米は、昔は『厄介道米』と言われてたじゃないの。それなのに今はコシヒカリだ、コチピカリだ、おぼろづきとか名前をくっ付けて金賞とって」などと発言していた。

 また、(銘柄は)『コチピカリ』ではなく『ゆめぴかり』。受賞したのは『金賞』でなく『特A』と発言内容にも誤認があった。

 日本共産党の山添拓政策副委員長(参院議員)は、麻生氏の発言に25日「気候危機に、いかに甘い認識でいるかを露呈する発言」と指摘。「温度上昇を抑制できなければ、地球全体で人類の生存が危ぶまれる事態だというのに。なお、その米価がコロナ禍で暴落しても見放しているのが自公政権」と問題を投げた。

 26日には松野博一官房長官が記者会見で麻生氏の発言について記者団から受け止めを聞かれて「政府としては、コメントは控える」と答えなかった姿勢に対し、ツイッターで「気温上昇で、全国でコメの品質低下が確認され、政府も対策の必要性を認める。麻生氏の『温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなった』との発言は何重にも不適切だが、是正は求めない様子の官房長官。政権選択の選挙で与党幹部が適当な演説をしても放置するのが自公政権か」と問題提起した。(編集担当:森高龍二)