第2次安倍内閣発足翌年(13年度)から19年に会計検査院が指摘するまでGDP算出に影響を与える基幹統計の「建設工事受注動態統計」が書き換えられ「原票」を消しゴムで消すなど、許されない行為が続いた問題。
16日の参院予算委員会でも「改ざんそのものだ」と改ざん行為がなぜ繰り返されてきたのか、立憲民主党など野党は原因を究明するよう強く求めた。
岸田文雄総理は「現場でどのようなことが行われてきたのか、直接には承知していないが、大変遺憾なことだ」とし「経緯や原因をしっかり検証し、再発防止を行って信頼回復につなげなければならない」とした。
そのため「国交大臣の下に検事経験者や弁護士などからなる第三者委員会を設け、1か月以内に検証結果を報告するよう、斉藤鉄夫国交大臣に指示した」とした。
問題を取り上げた立憲の白眞勲(はく・しんくん)議員は「(大臣の下にではなく)独立した第三者委員会にすべき」と提言した。大臣の下の第三者委員会では検証が甘くなり、客観性を強化する意味からも、独立した委員会にすべきとの考えを示したもの。
改ざんが相次いだ安倍政権で、今度は公明党が大臣を務める国交省でも起きたわけで、小沢一郎衆院議員はSNSで「建設工事受注動態統計はGDPの算出に使われるほか、月例経済報告や中小企業支援などの基礎資料となる重要な統計。国交省は8年前から都道府県担当者に生データの書き換え作業をさせており、3年前の毎月勤労統計の問題よりも悪質。統計偽装。他の統計も含め、再度一斉点検を行う必要がある」と投稿した。
ネット上では「ことは深刻、反省だけでは済まない」「この改ざんが起き始めたのは安倍政権の頃で、GDPの計算方法を変えて、GDP偽装を始めた時期じゃないのか?」「安倍政権というのはあらゆる場所で嘘を付きまくってきた政府だったということだ」
「データはユーザの物なのでシステムの人間がデータを直接に直すとデータの改竄になるから絶対にやってはいけないと言われたことがある。改竄ってそれくらいやってはいけないことで、データの信頼性を失ってしまう」
「不思議なのは、民主党政権では行われず、自民党安倍政権になってから行われた事が不自然極まりない。そんな突然に官僚がリスクのある事をするのだろうか。何らかの内閣や与党議員からの圧力があったのでは無いか」「関わってきた職員はちゃんと処分してください。処分されるのが嫌なら『誰の指示でやったのか』をはっきりさせる事です。はっきりさせればアベノミクスの虚構があからさまになるでしょう」と不信感や統計の信頼を棄損する重大行為に対する怒りの声が相次いでいる。(編集担当:森高龍二)