森友学園への国有地売却を巡り、理財局長の指示で近畿財務局職員だった赤木俊夫氏が公文書の改ざんを行った後、自殺した問題。国は改ざん指示を受けたことが自殺につながった大きな要因と認め、赤木氏の妻に1億円の賠償をしたが、立憲民主党の階猛衆院議員は25日の衆院予算委員会で、改ざん指示を行った当時の理財局長・佐川宣寿氏に対し国家賠償法に基づく求償権を行使すべきと政府に求めた。
鈴木俊一財務大臣は「国が支払った賠償金については『職員に故意または重大な過失があった時は職員個人に求償することができる』と規定されていると承知している」としたうえで「今回の賠償金は、当時、業務負担軽減等、さまざまな対応がされていたこともあり、国が個々の職員に対して求償権を有するものとは考えていない」と求償権を有していないケースだとした。
これに対して階氏は「決裁文書の改ざん指示というふうに、国の書面に書いている。すべて指示者である佐川氏の責任かどうかは議論があると思うが、少なくともゼロということはないだろう」と国の姿勢を問題視した。
岸田文雄総理は「財務省の判断としては今回難しいという判断だと報告を受けている」と検討さえしない姿勢を見せた。
階氏は「佐川氏の証人喚問を衆参で行ったが、30回近く、刑事訴追の恐れがあるとして答弁拒否した。今は、刑事手続きは終わり、刑事訴追の恐れはなくなった。証人喚問、第3者委員会による再調査を約束していただけないか」と追及。
岸田総理は「必要であるなら、政治の立場から説明を加えるということは避けてはならないと思っている」と答弁。
階氏は総理答弁を受け「予算委員会での証人喚問をお願いしたい」と要請。委員長は「理事会で協議する」と答えた。佐川氏が佐川氏自身のために改ざん指示を出したとは到底理解できず、誰のために、何の目的で改ざん指示をしたのか、問題の核心を知ることが改ざん問題の再発防止になることから、佐川氏の証人喚問は必要だろう。(編集担当:森高龍二)