統計・公文書問題に信頼回復へ厳しく指導と総理

2021年12月23日 06:51

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国交省の基幹統計書き換えの背景には「アベノミクス効果」を粉飾する狙いがあったのではないか、との疑惑も指摘されている

 岸田文雄総理は21日の記者会見で、国交省によるGDPにかかる基幹統計「建設工事受注動態統計」の書き換え問題(二重計上)や森友学園への国有地売却をめぐる上司の公文書改ざん指示に従い、改ざん後に自殺した近畿財務局職員だった故赤木俊夫さんの妻・雅子さんからの情報公開に関する訴訟が継続していることを踏まえ「統計の信頼性や公文書の在り方に関し、国会中に様々な指摘を頂いた。国民の皆さんから政治への信頼を得るために大変重要なものと考えている」と語った。

 岸田総理は「法曹界の専門家(元検事ら)にも参画してもらった上で、統計の二重計上問題についての厳正な事実究明や、公文書に関し、裁判手続に沿った、中立、真摯、丁寧な対応を行うことが国民の信頼回復のためには不可欠。関係省庁がこうした対応をしっかり行うよう、厳しく、監督、指導していく」と明言した。

 岸田総理は記者団の質問にも答え「情報公開に関する訴訟が継続中なので、その訴訟について、引き続き丁寧に対応すること。併せて、様々な場において今後とも真摯に説明を尽くしていく、こうしたことを指示した。私自身も今後とも、この問題に真摯に向き合っていく、説明責任を果たしていくべく努力をしていかなければならないと思っている」と真摯に対応していく姿勢を強調した。

 ただ「国交省の書き換えの問題のように第三者委員会を立ち上げるなど対応される考えはないか」との問いには説明責任を果たしていくとする範疇を超えなかった。また国交省の基幹統計書き換えの背景には「アベノミクス効果」を粉飾する狙いがあったのではないか、との疑惑も指摘されている。(編集担当:森高龍二)