SDGsの理解を深める、「ドラマ」を使ったアプローチ

2022年02月06日 10:25

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SDGsの認知度が飛躍的に高まっている。CCCマーケティング総合研究所の調べでは、SDGsという言葉を「知っている」と回答した人の割合が全体の8割を超えた

 SDGsの認知度が飛躍的に高まっている。CCCマーケティング総合研究所の調べでは、SDGsという言葉を「知っている」と回答した人の割合が全体の8割を超えたそうだ。国や自治体、企業や団体などでの積極的な取り組みと、それらがメディアでも度々取り上げられている成果と言えるだろう。

 しかし、SDGsの認知度と内容の理解度には相違がある。例えば、持続可能な開発目標17ゴールの一つである「つくる責任、使う責任」という項目において、「行動している」と回答した人の割合が21.4%であるのに対し、同項目の具体例を確認し「行動している」と回答した人の割合は49.4%という結果になった。これは全17項目において同様の差分が見られる。認知の次に求められるのは、内容の理解だ。

 内容の理解度を高める上で、メディアの役割がより重要になってくる。17のゴールを単純に読み上げたり説明するだけでは、理解向上には繋がらない。番組での取り上げ方や、表現方法など、今までとは違ったアプローチや手法が求められる。そんな中、フジテレビ、BS フジ、ニッポン放送の3波連合プロジェクト「楽しくアクション! SDGs」という取り組みが注目を集めている。

 「楽しくアクション! SDGs」とは、?近なことから楽しくアクションする機運を盛り上げて、SDGsへの意識を世の中へ?きく広げていくことをテーマに、一緒に考え、行動するきっかけとなる番組制作プロジェクトだ。国や地域、企業や海外での取り組みなどを紹介したり、SDGsの内容を親しみやすいバラエティー番組として放送している。さらに2月末には、国内企業のSDGsの取り組みをドラマ化した「木のストロー」がオンエアされる。

 ドラマ自体はフィクションとして放映される予定だが、モデルとなる企業と商品は実在する。木造注文住宅メーカー・アキュラホームと、同社が開発した「木のストロー」だ。広報課社員 西口彩乃氏が住宅会社でありながら環境貢献の取り組みとして社内を説得し、世界で初めて開発・量産化に成功した。2019年大阪サミットをはじめとするG20のすべての会合で採用され、第29回地球環境大賞農林水産大臣賞やグッドデザイン賞など数多くの賞を受賞した、世界初の“木のストロー”の開発から実現までを描いた同名書籍(扶桑社)が、ドラマの原案となっている。堀田真由さんや鈴木保奈美さんなど、実力派の俳優陣が出演しており、放送は関東エリアで2 月 26 日(土)を予定している。

 17のゴールを文字だけで見て理解するのは難しい。しかも、見聞きし慣れない言葉が含まれているので尚更だ。SDGsを正しく、深く理解する為の一つの方法として、ドラマ化という手法は大変面白い試みではないだろうか。2030年の目標達成に向け、今後の様々な取り組みに注目していきたい。(編集担当:今井慎太郎)