岸田文雄総理は22日、ロシアとの経済協力に関して「単なるビジネスでロシアに協力することはあり得ないとは思うが、我が国の権益として、我が国の国民の生活を守るために重要なエネルギーを長期的に廉価に日本に持ってくる、そういった契約を結んでいる、権益として確保していることについては大事にしていかなければならない」と述べ「ロシアとの関係をどのように続けていくか、国益の観点から冷静に判断していくことが重要だ」とロシアとの各種プロジェクトに関して、慎重な判断姿勢を示した。
岸田総理は安倍政権時代にできた「8項目の経済協力」に関して「新たな協力のできる状況ではないが、経済協力の中にどこまで入るか、よく整理しなければならない」とし「サハリン1、サハリン2を始めとする様々なプロジェクトを見る際、ビジネスなのか、我が国の権益なのか、しっかり整理しなければならないと思う」と語った。
ロシア外務省は21日、日本の経済制裁に対抗する形で「我が国の利益に損害を与えようとする国家と二国間関係の基本となる平和安全保障条約の締結について協議することは不可能。交渉継続の意思はない。共同経済活動の調整に関する対話からの撤退」「黒海経済協力機構の分野別対話パートナーとしての日本の資格延長は行わない」と発表している。
岸田総理は、これに対し「今回の事態は全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものであり、日露関係に転嫁しようとするロシア側の対応は極めて不当、強く抗議をする」と非難。「国際社会と結束して引き続き毅然と行動していく」と明言した。(編集担当:森高龍二)