改憲発議前に国民投票法改正案の成案を得るべき

2022年04月17日 09:07

 立憲民主党の階猛衆院議員は14日の衆議院憲法審査会で「国民投票法改正について」意見陳述し、憲法改正案を国民に発議する前に、国民投票法改正案を憲法審査会で議論し、成案を得るべきと強く求めた。

 階氏はこの中で「国民投票の本質にかんがみ、改正案の概略を2年前に、この場で説明したが、議論は進まなかった。党ではこの間も党内で議論を進めてきた。バージョンアップしたものを紹介したい」と前置き。

 改正案の主要点について(1)多種多様で正確な情報を得たうえで賛否の意思を形成できる仕組みつくりのため「憲法改正の賛否勧誘のための放送CMは主体を問わず、かつ現行法の投票日前の2週間に限らず、国民投票運動全期間にわたって禁止する」こと。

 理由について階氏は「インターネットが発展、普及し、SNSの利用が一般化したことにより、現在では供給される情報が過剰になっており、いかに情報の受け手の関心と時間を引き付けるかがCM業界にとって死活問題になる。いわゆるアテンション・エコノミーの状況が生まれている」と指摘。

 階氏は「扇状的なCMやCM事業者にとって経営的なメリットが大きい、資金力のあるスポンサーのCMが増え、国民が多種多様で正確な情報を得たうえで、憲法改正の賛否の意思を形成することが困難になる」と提起した。

 改正2点目は(2)落ち着いた物理的精神的環境の中で平穏かつ積極的に投票できる仕組みにするため、ネット上の匿名による誹謗中傷やヘイトスピーチ、フェイクニュースなどを防ぐため「国民投票運動などに関して、ネット上で情報発信する者についてはネットの適正利用に関する努力義務を課すとともに国民投票運動のための文書図画を頒布する際には電子メールアドレスなどの画面表示を義務付ける」。

 また「国民が国民投票になるべく集中できる環境を整えるため、投票日の国民投票運動を禁止し、国民投票運動の期間と国政選挙の選挙運動期間は重ならないようにすること」を提起した。(編集担当:森高龍二)