民間設備投資、デジタル投資活発も、原価高騰・円安で足踏み、コロナ前に戻らず

2022年05月25日 07:43

画・民間設備投資、デジタル投資活発も、原価高騰・円安で足踏み、コロナ前に戻らず。

帝国データバンクの試算によると2022年度の企業設備投資額は87兆円。コロナ前を下回るものの2年連続の増加

 コロナ禍も落ち着きを見せ、世界的に経済が動き出している。急速な需要回復による供給網の混乱もあり、資源価格高騰で世界経済はインフレ基調に一転した。これにウクライナ情勢も加わり、日本では急速な円安で原価高騰がブーストされている。コロナ禍で多くの改善点が顕在化し、日本企業はポストコロナに向け設備投資に積極的なようだが、一方で原価高騰や円安により先行き不透明感が高まっており、一部で下押し傾向も混在している状況のようだ。

 5月18日、帝国データバンクが「2022年度の設備投資に関する企業の意識調査」(調査期間:4月下旬、有効回答:全国1万1267社)の結果レポートを公表している。これによれば、22年度に設備投資を行う計画が「ある」と回答した企業は58.9%、予定額の平均は1億3083万円で21年度より微増ではあるが増加している。しかし、レポートで試算されたマクロの設備投資額は87.0兆円でコロナ感染拡大前の19年度90.8兆には達していない。

 内容を見ると、「設備の代替」41.5%で最多、次いで「既存設備の維持・補修」32.5%と続いており更新投資が中心のようだ。これに続き「省力化・合理化」26.2%、「IT化関連」24.5%と続いており革新投資も少なくない。「IT化関連」と「DX関連」のいずれかを選択した企業は34.3%となっており、3社に1社がDX投資となっている。特に従業員1000人以上では「IT化・DX投資」は61.6%とDXに積極的なようだ。自由回答欄を見ると「資金調達は、新型コロナウイルス関連融資で非常に助かっている」(土木建築サービス)などと言う記述が目立ち、政府の支援も奏功しているようだ。

 しかし一方、計画のない企業に理由を聞いた結果では、「先行きが見通せない」 53.0%が最多で、次いで「現状で適正水準」26.4%、「投資に見合う収益を確保できない」20.8%、「借入負担が大きい」13.3%、「原材料価格の高騰」13.1%と続いている。先行き不透明については、「円安により燃料価格が高騰し、収益を圧迫させることが想定され、安易に設備投資は出来ない」(一般貨物自動車運送)や「原材料高騰で金額が上がっているので予算が合わない」(金属製建具工事)など、やはり円安や原料高などによる先行き不透明感の高まりで足踏みしている企業の様子がうかがえる。レポートでは経済安全保障推進法(特に供給網強化)による「設備投資マインドの上昇」を期待するとしている。(編集担当:久保田雄城)