値上げラッシュが続いている。飲食料品を中心に現在もメーカー各社から値上げの発表が毎日のように行われており、値上げの予定日も既に秋以降まで及んでいる。帝国データーバンクの集計(5月19日時点)では食品メーカー主要105社だけでも値上げ商品は8000品目を超えており、値上げ率の平均は12%と2桁に達している。昨年から内容量を減らし価格は据え置くステレス値上げなどが行われてきたが、急激な円安の影響もあり4月以降は表面価格の値上げが相次ぎ、消費者も消費者物価の上昇を実感し、家計が苦しくなっていると感じているようだ。
5月27日、ドイツに本部を置く浄水器メーカーのブリタJapanが5月11~17日に実施した「値上げによる家計への負担や節約に関するアンケート調査」(調査対象:全国の20~60代の男女計655名)の結果レポートを公表している。これによれば、身の回りのものやサービスについて「値上がりを感じる」と答えた者の割合は89.2%(「とても感じる」49.0%、「少し感じる」40.2%)と9割に達している。特に値上がりを感じるものでは、やはり「食品・飲料」が82.5%と8割超えでダントツに多くなっており、次いで「ガソリン」55.7%、「日用品」42.8%、「水道光熱費」41.6%、「外食」23.5%と続いている。
値上げによって「生活が苦しくなっている」と感じているかという質問に対しては、73.6%(「とても感じる」24.4%、「少し感じる」49.2%)と7割超が「生活が苦しくなった」と感じているようだ。「値上げを感じている」と回答した者の中で金額を把握している者に「月の生活費の変化」について尋ねたところ、1カ月の生活費は平均1万257円増加しているという結果になっている。
「現在の値上げラッシュで節約するようになったか」と聞いた結果では、89.9%(「元々節約しており今も続けている」60.0%、「節約していなかったが、節約するようになった」29.9%)と9割の者で節約意識が高まったようだ。「節約しているもの」を聞いた結果では、やはり「食品・飲料」が64.5%とダントツで多く、次いで「日用品」40.9%、「水道光熱費」37.4%、「外食」34.6%、「被服」28.9%と続いている。外食や被服はコロナ禍での打撃から回復途中にあるが、飲食料品や光熱費など生活必需の値上げラッシュを受けた節約ムードの強化でいっそう回復が遅れることも懸念される。(編集担当:久保田雄城)