敵基地攻撃能力必要 抑止力として自公が共有

2022年11月29日 07:11

 ロシアによるウクライナ侵略行為から武力攻撃に対抗する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」を保有すべきとの考えが政府・与党間に広がり、どこまでの能力を持つのか、どのように発動するのか、集団的自衛権行使に「敵基地攻撃能力」を発動するのか、安全保障の在り方が大きな岐路を迎えている。憲法に照らし、方向を誤らないよう、透明性を確保してより一層慎重な議論が必要だ。ロシアに乗じて軍拡に走り過ぎないよう『必要最小限』の在りようを忘れてはならない。

 自民党の小野寺五典安全保障調査会長(元防衛大臣)は27日のNHK番組で「専守防衛の考えに変わりはない」とした。そのうえで「ミサイルを防ぐ盾の役割の一環として反撃能力は持つべきだ」とし、公明党の佐藤茂樹外交安全調査会長も自民党と「抑止力として反撃能力を位置付ける意義を共有している」と反撃能力保有を是とする考えを示した。

 また佐藤氏は反撃能力行使に日本が直接攻撃を受ける『武力攻撃事態』のみでなく、アメリカなど密接な関係にある他国が武力攻撃を受け、日本の存立が脅かされる『存立危機事態』にも「理論的には含まれる」とした。

 反撃能力(敵基地攻撃能力)については政府の「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が保有を不可欠とした報告書を提出している。日本共産党の志位和夫委員長は「戦争国家づくりの青写真だ、とんでもないもの」と報告書の内容を非難。報告書に「外交戦略が一言もない。軍事一辺倒」との問題も提起した。

 志位氏は「守ろうとしているのはアメリカ。アメリカを守るために軍備の大増強をやる、そのための大増税をやる、これが今起こっていることの本質」と指摘した。(編集担当:森高龍二)