異次元の少子化対策・児童手当の恒久財源は

2023年01月08日 10:01

 岸田文雄総理は年頭記者会見で「今年の大きな挑戦は異次元の少子化対策だ」と掲げ「こどもファーストの経済社会をつくり上げ、出生率を反転させなければならない」と強調。その一環に「児童手当を中心に経済的支援を強化する」とした。問題はその財源。恒久財源をどこに求めるのか。

 自民党内では早くも「子育て支援は国民全体で行うべき」性質のもので、国民みんなが公平に負担・支援する必要があるなどと「消費税率引き上げ」を言い始めている。

 自民党元幹事長の甘利明衆院議員は5日のテレビ番組で「岸田首相が少子化対策で異次元の対応をすると言っている。児童手当なら財源論にまでつなげていかなければ」とし「子育ては全国民に関わることなので、幅広く支えていく体制を整えていかなければならない。将来の消費税も含め地に足つけた議論が」必要と消費税引き上げによる財源確保に言及した。

 社会保障も防衛も外交も教育も食糧安全保障も「国民全体に関わること」で、消費税は全て社会保障に使うということを反転して「社会保障費は全て消費税で」と消費税に逃げ込む姿勢はそろそろ見直した方がいいのではないか。

 立憲民主党の蓮舫元行政刷新担当大臣は恒久的財源に関して5日までにツイッターで「消費税に手をつける前に所得税や法人税、金融所得課税と見直すべき税制がある。格差拡大を是正するために再分配の在り方の見直しがまず最優先と考えます」と発信。

 個人の現金・預金を株式市場に向ける狙いの「資産所得倍増」を掲げ、経済界には「インフレ率を超える賃上げ」を要請する岸田政権に所得税や法人税、金融所得課税に切り込む度量があるのか、4日の記者会見で総理が語った内容や来年度予算案に関して今月開会の通常国会で突っ込んだ議論が求められている。(編集担当:森高龍二)