通常国会が23日開会。岸田文雄総理は施政方針演説で防衛力の抜本的強化、子ども・子育て政策、新しい資本主義など岸田政権の柱とする重点項目を力説した。特に防衛力の抜本的強化に関しては「憲法の範囲内か、専守防衛の堅持を逸脱しないのか」国会で国民が理解・納得できる説明が求められている。
岸田総理は「優先されるべきは積極的な外交展開だ」としながらも「外交には裏付けとなる防衛力が必要」などと防衛力強化を強調。
「5年間で43兆円の防衛予算を確保し、相手に攻撃を思いとどまらせるための『反撃能力』(敵基地攻撃能力)の保有、南西地域の防衛体制の抜本強化、サイバー・宇宙など新領域への対応、装備の維持・弾薬の充実、海上保安庁と自衛隊の連携強化、防衛産業の基盤強化、装備移転の支援、研究開発成果の安全保障分野での積極活用を進める」と戦後の安全保障外交、必要最小限の防衛力保持とは180度変わる姿勢を堂々と演説した。
また2027年度以降も防衛力の維持・強化をしていかねばならないとして、年間4兆円の財源が必要とし、その4分の1は「今を生きる我々が将来世代への責任として対応していく」と税での新たな負担を語ったが、施政方針演説では法人税増税など個別税目を上げなかった。
岸田総理はこれらの大転換を「憲法、国際法の範囲内で行うもので、非核三原則、専守防衛の堅持、平和国家としての歩みをいささかもかえるものではないことを明確に申し上げたい」とアピールした。しかし「憲法の範囲内か、専守防衛の堅持を逸脱しないのか」国会で国民が理解・納得できる説明が強く求められている。(編集担当:森高龍二)