国会前に米へ防衛費増など説明も問題ないと外相

2023年02月02日 07:33

 林芳正外務大臣は1月31日の記者会見で野党から国会審議を経ないまま、反撃能力保有や防衛予算を米側に説明するのは国会軽視、順が逆じゃないのかと批判の声が出ていることについて「国会の審議を経て予算成立した上で政策は実行に移されるということなので国会を無視した手順という指摘は当たらない」と進め方、手順に問題があるとは考えていないとした。しかし、海外での発言、説明は国家間の約束や既成事実化を図ることになりかねず、問題がないとはいえそうにない。

 林大臣は会見で「反撃能力(敵基地攻撃能力)保有を含む安保3文書については国家安全保障会議4大臣会合、有識者会議、与党ワーキングチームなどで活発な議論を積み重ねてきた。その集大成として政権与党としての方針を3文書の閣議決定で示した」とした。
 
 そのうえで「議院内閣制の下では政権与党が国政を預かっており、政府与党において1年以上にわたるプロセスを経て方針決定した。進め方に問題があったとは考えていない。米国に対しては政府として新たな3文書の下で、防衛費の相当な増額を通じて反撃能力を含む防衛力を抜本的に強化することを決定したことから、日米「2+2」等において政府としての現状を説明した」とした。

 林大臣は「政府としては今国会に防衛力の抜本的強化を含む来年度予算を提出しており、与野党との活発な国会論戦を行っている。それによって、さらに国民への丁寧な説明も行っていく考えだ」と語った。(編集担当:森高龍二)