政府は経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度の法整備が必要だとして、岸田文雄総理は14日、経済安全保障担当大臣に対し「経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度のニーズや論点等を専門的な見地から検討する有識者会議を立ち上げ、今後1年程度をめどに可能な限り速やかに検討作業を進めるよう」指示した。
岸田総理は14日開いた経済安全保障推進会議で「セキュリティ・クリアランスを含む我が国の情報保全の強化は同盟国や同志国等との円滑な協力のために重要だ。こうした制度を整備することは産業界の国際的なビジネス機会の確保・拡充にもつながることが期待できる」などと語った。
政府資料では「セキュリティ・クリアランス」について「国家における情報保全措置の一環として(1)政府が保有する安全保障上重要な情報を指定することを前提に、(2)当該情報にアクセスする必要がある者(政府職員及び必要に応じ民間の者)に対し、政府による調査を実施し、当該者の信頼性を確認した上でアクセス権を付与する制度。
(3)特別の情報管理ルールを定めて当該情報を漏洩した場合に厳罰を科すことが通例としている。指定された情報にアクセスしようとする者は基本的に自国民が対象。民間事業者に政府から情報が共有される場合には民間施設の保全体制も確認する、としている。(編集担当:森高龍二)