政府は米国製の巡航ミサイル「トマホーク」(射程1000キロ以上のミサイル)約500基を来年度に「一括契約」する方針だ。
浜田靖一防衛大臣は14日の記者会見で「トマホークはミサイル整備に必要な経費として来年度予算案に約2113億円計上しているが、FMS(有償援助)にて所要数を全て取得することを考えている」と語った。
そのうえで「自衛隊が保有するミサイル弾数や単価については明らかにすれば我が国の具体的な防衛能力を明らかにすることとなる」として「トマホークについても具体的な取得数や単価については差し控える」と明示しなかった。
浜田大臣は米国議会では同盟国等に売却する可能性のある最大数量を公表していると承知しているが、実際の我が国の取得数を公表したものではない、とし「我が国の取得数量が明らかになるものではない中、トマホークの取得数量を示すことは我が国の防衛能力を明らかにする恐れがあるため答えを差し控える」として、答えないとした。
日本共産党の志位和夫委員長はトマホーク・ミサイルを23年度に一括購入する契約を結ぶと浜田防衛大臣が表明したが「取得数を明らかにせず」とツイッターに書き込み「政府は導入予定のどの長射程ミサイルも『取得数』『射程距離』を秘匿している。岸田首相は『真に必要なものを積み上げて防衛費を決める』というが、全てが闇の中で、どうして検証できようか」と防衛能力を明らかにすることになると理由に挙げて、一切、明らかにしない対応は問題だとしている。
特にFMSを巡っては米国のみで製造している最新鋭装備品の購入が可能になるメリットがある一方、価格の透明性が確保できにくく、装備品の性能と価格との整合性がとれているのかどうか課題もある。(編集担当:森高龍二)