ダイハツ工業のマレーシアにおける自動車生産・販売の現地合弁会社であるプロドゥア(セランゴール州)は、Aセグメントの国民車「AXIA(アジア)」を約9年ぶりにフルモデルチェンジし、発売したと発表した。
AXIAは、ダイハツが日本の軽自動車で培ってきた低燃費・低価格の技術やノウハウを応用し、マレーシアの顧客ニーズを徹底的に応えた5人乗りコンパクトハッチバックとして、2014年9月に初代を発売。以来、エントリー層を中心に多くのユーザーから支持され、累計販売台数は約57万台に達したモデルだ。
今回フルモデルチェンジした新型は、「The Exciting City Car」をコンセプトに、DNGA-Aセグメント用プラットフォームを採用し、D-CVTの搭載や車両の軽量化などにより、高い燃費性能と優れた走行性能を両立させたモデルだ。なかでも、エントリーユーザーに向けた商品として、リーズナブルな価格したのが特徴だ。
また、全長×全幅×全高3760mm×1665mm×1495mmとコンパクトなボディサイズでありながら、広くて使いやすい室内空間や荷室スペースを実現、「パワフル&アグレッシブ」をテーマに、より存在感あるデザインへと刷新した。さらに、進化した衝突回避支援システム「スマートアシスト(現地名:Advanced Safety Assist)」を採用するなど、安全・安心への期待に応えた。
プロドゥアは、1993年にダイハツとの協業により創業した、小型車を中心としたマレーシア第2の国民車メーカーであり、2006年から2022年まで17年連続でマレーシア国内販売シェアトップを獲得。2021年3月には、ダイハツの海外事業におけるDNGA第1弾となるコンパクトSUV「Ativa(アティバ)」、2022年7月には7人乗りMPV「ALZA(アルザ)」を発売し、今回の新型「AXIA」がマレーシアにおけるDNGA第3弾商品となる。
搭載するパワーユニットはダイハツ1KR-VE型ガソリンエンジンで、3気筒1リッターのキャパシティから日本仕様の諸元では、最高出力50kW(68PS)/6000rpm、最大トルク91Nm(9.3kgm/4400rpmを発揮する。駆動方式はFWDで組み合わせるトランスミッションはCVTだ。
ダイハツは今後もDNGA商品を、アセアンを中心とした国々へ展開するとともに、各地域での自動車の普及および産業の発展、人材育成に貢献し、当該地の生活に寄り添った企業を目指す。「AXIA」の現地価格は、3万8,600リンギット~4万9,500リンギット(日本円で約117万円~150万円)だ。
なお、新型「AXIA」はトヨタにOEM供給され、トヨタのインドネシア市場に向けた戦略的エントリー車として当該市場に投入予定だ。(編集担当:吉田恒)