2022年、暦年の日本国内新車販売台数は前年比5.6%減の420万1321台で、オイルショック直後の1977年以来、45年ぶりの低水準だった。世界的なコロナ禍拡大にや半導体部品不足で大幅な減産を強いられたことが大きな要因となった。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した。前年を下回ったのは4年連続。普通・小型車のいわゆる登録車は8.3%減の256万3184台で、統計を開始した1968年に次ぎ2番目に少なかった。軽自動車は0.9%減の163万8137台だった。
ただ、2022年12月の新車販売台数は前年同期比2.4%増の34万4365台と4カ月連続で増加するなど回復傾向にある。ただ、半導体不足などの影響で生産が遅延しており納車まで半年以上かかる車種もあり、2023年の販売も低迷する可能性が大いにある。
なお、国内新車販売のうち軽自動車と登録車の車名別暦年販売台数のランキングは以下のとおりだ。
■□■2022年暦年(2022.01-12)車名別暦年販売台数□■□
1)ホンダN-BOX 202,297台(107.0%)*
2)トヨタ・ヤリス 168,557台 (78.2%)
3)トヨタ・カローラ 131,548台(118.7%)
4)日産ノート 110,112台(122.1%)
5)トヨタ・ルーミー 109,236台 (81.0%)
6)ダイハツ・タント 107,810台 (92.2%)*
7)スズキ・スペーシア 100,206台 (77.8%)*
8)ダイハツ・ムーヴ 94,837台 (99.0%)
9)トヨタ・ライズ 83,620台(102.1%)
10)スズキ・ワゴンR 80,213台(119.2%)*
11)ホンダ・フリード 79,525台(114.3%)
12)日産ルークス 72,600台 (85.7%)*
13)トヨタ・アクア 72,084台 (99.4%)
14)スズキ・ハスラー 70,373台 (85.3%)*
15)トヨタ・シエンタ 68,922台(119.2%)
16)スズキ・アルト 67,204台(110.3%)*
17)ダイハツ・ミラ 65,317台 (99.3%)*
18)ホンダ・フィット 60,271台(102.5%)
19)トヨタ・アルファード 60,225台 (63.4%)
20)トヨタ・ノア 57,696台(130.5%)
※カッコ内は前年同期比 *印は軽自動車
2022年暦年(1~12月)における登録車を含む新車販売台数202,197台で、ホンダの軽自動車「N-BOX」が第1位を獲得した。暦年の新車販売台数においては2020年以来2年ぶり、軽四輪車 新車販売台数においては8年連続の首位獲得である。販売で同車が群を抜いた数字を叩き出し、軽自動車第2位のダイハツ・タントに倍近い差を付けている。
また、ホンダ車ではフリードが、モデル末期で本年中のフルモデルチェンジを噂されるなか、5ナンバーのミニバン第1位となった。
グローバルな新車販売をみると、トヨタ自動車の2022年米国内の新車販売台数は、前年同期比10%減の約211万台だった。トヨタは2021年に初めて米国市場で首位に立ったが、半導体不足もあって、米ゼネラル・モーターズ(GM)に抜かれた。GMは3%増の約227万台で、首位に返り咲いた。トヨタ以外の日本勢大手では、ホンダが33%減の約98万台、日産自動車が25%減の約73万台だった。
世界一の自動車市場、中国では、日系メーカーの2022年の新車販売が不振だ。トヨタは前年比0.2%減の194万0600台。ホンダは12.1%減の137万3122台と、2年連続の前年割れ。日産も22.1%減の104万5197台で、4年連続のマイナスだった。各社が前年実績を下回るのは、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化をきっかけに日中関係が悪化した影響を受けた2012年以来10年ぶりのことだ。世界最大の自動車市場とはいえ、中国頼みの戦略は、大きな転換を迫られそうだ。(編集担当:吉田恒)