原子力規制委員会は事実上の原発運用期間延長となる「原則40年、最長60年」としてきた60年期間から審査期間などで停止している期間を除外することに、委員5人による異例の「多数決」により政府方針に沿う形に決した。
立憲民主党の逢坂誠二代表代行は22日の衆院予算委員会で原子力規制委員会が正式議論する前に、原子力規制庁と資源エネルギー庁が秘密裏に法改正について会合を開いていたことを取り上げ「この会合は原子力を推進する側と規制する側の会合であり、開示請求した資料は黒塗りだった。談合と言われて仕方ない」と強い疑問を呈した。
また逢坂氏は「原子力規制庁のトップ5人は原発推進側の経産省の職員で占められている」と規制庁人事にも疑問を呈した。
多数決で決めた事には事実上の期間延長に石渡明委員は「科学的・技術的な新しい知見に基づくものではない。安全性を高める方向での変更とは言えない」と反対した。
一方、山中伸介委員長は記者会見で「原発の運転期間は政策判断で考えること」などとし「規制委員会としては運転期間について意見を申し述べる立場ではない」とした。しかし、賛成した委員の中にも「審議する時間が限られていた」とするものもあり、安全性の確保のみを持って時間に関係なく審議を尽くし、多数決でなく委員全員一致するまでの議論こそ委員会には求められているといえよう。(編集担当:森高龍二)