JT株保有義務 3分の1超に引下げ 望ましい

2011年10月21日 11:00

 東日本大震災復興に充当する財源確保の一環として、政府はJT株式の売却を予定しており、売却に向けて、JT株式に対する政府保有義務を現行の「2分の1」から「3分の1超」にまで引き下げる方針。これに対し、財政制度等審議会(吉川洋会長)は引下げする方針について「政府保有義務を3分の1超に引き下げることが望ましい」との意見をまとめ、留意点とともに、安住淳財務大臣に伝えた。

 留意点として(1)売却にあたり適切な時期などを見極める必要がある(2)株式を保有している以上はJTの配当政策、多角化した事業運営などが適切に行われるよう株主としての権利を適切に行使する必要がある(3)JTの資本政策に対する制約に対し、近い将来、何らかの配慮が必要(4)たばこ事業関係者に適切な情報提供を行う必要がある(5)国民に対して、たばこ関連産業の現状などについて説明する必要がある、などをあげた。

 審議会は、政府が保有するJT株の全株売却にあたっては「国産葉たばこの全量買取契約制やJTの製造独占、小売定価の認可制(小売価格、小売マージン)などと密接な関係を有していることから、たばこ法制の根幹に係る議論を行う必要があることに留意すべき」として、全株売却についてはその影響を考え、慎重に議論を深めていく必要を指摘した。
(編集担当:福角忠夫)