平成22年度中のサービス残業に対する是正額は労働者1人あたり11万円、1企業あたり889万円にのぼったことが厚生労働省の「平成22年度賃金不払い残業是正」のまとめで分かった。
これは全国の労働基準監督署が昨年4月から今年3月までの1年間で残業代が不払いになっている事案のうち、1企業で100万円以上の割増賃金が支払われた事案をとりまとめたもの。
それによると、是正企業数は前年度より165企業増え、1386企業になっていた。また、対象となった労働者は11万5231人にのぼり、支払われた割増賃金の合計額は123億2358万円と前年度より7億2060万円増えた。
1企業での最高支払い額は3億9409万円(旅館業)になっていた。サービス残業では所定労働時間終了後に労働者にタイムカードを打たせ、その後は就労していなかったかのようにして時間外労働をさせていた事例も確認された。労使関係で労の立場の弱い事業所ほど、サービス残業の実態が表面化しづらく、解消が難しくなっている。
(編集担当:福角忠夫)