北朝鮮が24日午前3時51分ころ、沖縄本島と宮古島との間の上空を通過する弾道ミサイル技術を利用した「軍事偵察衛星」を打ち上げたが、国営メディアは打ち上げには失敗したと報じた。
松野博一官房長官は同日「発射された1発は複数に分離し、いずれも我が国排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定される。今回、北朝鮮が再び国連安保理決議違反である発射、日本列島の上空を通過するものを強行したことは極めて遺憾であり、我が国として断じて容認できない」との「官房長官声明」を発表した。
松野長官は声明で「北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含む弾道ミサイル等を繰り返し発射しており、今回の発射を含め一連の挑発行動は我が国の安全保障にとって一層重大かつ差し迫った脅威とともに、国民の安全に関わる重大問題」とした。
そのうえで「北朝鮮の行為は北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も禁止している関連する国連安保理決議及び日朝平壌宣言にも違反し、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもの。我が国を含む国際社会全体に対する深刻な挑戦であり、厳重に抗議し、日本国民の強い憤りを伝えるとともに、最も強い表現で非難した」と非難した。
また「国家安全保障戦略等に基づき、反撃能力を含む防衛力の抜本的強化のための各種施策を着実に実施する。こうした取組みを通じ、抑止力・対処力を強化していく」と反撃能力保有が抑止力・対処力強化につながるとの主張を展開、今年度から5年間に43兆円の防衛費投下の正当化に結び付けた。(編集担当:森高龍二)