半導体メーカーのロームは3日、スマートフォンなどのモバイル機器向けに高密度実装を可能とした世界最小(10月3日現在、同社調べ)のチップ抵抗器「03015サイズ(0.3mm×0.15mm)」を開発したことを発表した。これまで「微細化の限界」といわれていた従来の「0402サイズ(0.4mm×0.2mm)」に比べ、44%のサイズダウンとなる。
需要が伸び続けるスマートフォン市場では、高機能化による部品点数の増加に伴い、高密度実装を可能にする超小型部品が求められている。しかし、既存の製造技術では、切断プロセスにおけるパッケージ寸法の公差が±20μmと大きいほか、チップの欠落などの様々な課題があり、0402サイズ以下の開発は難しいと考えられてきた。
そこで同社は従来の抵抗器製造技術ではなく、独自の微細化技術によって製造システムを開発するとともに、ダイシング方法の見直しを行い、切断プロセスにおけるパッケージ寸法の公差を±5μmと大幅に低減することに成功。この寸法精度の向上によって、実装時の吸着エラー低減に貢献するだけでなく、電極表面に耐腐食性に優れた金を採用することで半田の塗れ性も向上し、安定した実装が可能となる。
今回の世界最小のチップ抵抗器の開発は、一般的に1台あたり数百個の抵抗器が搭載されているといわれているスマートフォンをはじめ、各種モバイル機器の高機能化、小型化に寄与することが期待される。