国土交通省は津波災害に備えた公園緑地の整備についての基本的な考え方と東日本大震災で大量に発生している災害廃棄物のうち、再利用可能な災害廃棄物の公園緑地造成への活用など大震災復興に係わる公園緑地整備の基本的な考え方(中間報告)をまとめた。
被災都市に復興のまちづくり計画や事業計画に活かしてほしいとしている。国交省の検討委員会では、今回の中間報告(基本的考え方)に基づき、11月に技術的指針の概略を、来年2月には詳細を検討する予定。
それによると、公園緑地については減災効果を期待するものであり、被災地の地形の特徴なども考慮し、津波防災に資する効果的な公園緑地の配置計画を検討することが必要。特に、海岸部の樹林帯、湛水機能を有する空地など、避難地となる公園、大規模公園などの広域防災拠点などの配置についての留意点を指摘。
「公園緑地の整備にあたっては海からの距離によって変化する環境条件や立地条件に応じて強い耐潮性を有する松林だけでなく、広葉樹も含む混交林により津波のエネルギー減衰に効果の高い多層構造の樹林の形成を目指すなど、多用な樹林地により津波災害に強い新たな森を再生していく観点が重要」と提言している。
また、災害廃棄物の活用では木くず(木材や倒木など)は原則としてマルチング材、植物基盤など緑地の整備に関する資材として活用が可能とした。
(編集担当:福角忠夫)