日本共産党の志位和夫議長は「東アジアの平和構築への提言―ASEANと協力して」と題した講演を衆議院第1議員会館で17日行った。会場には21か国の駐日大使館から大使や公使らが参加し耳を傾けた。
志位氏は「北東アジア各国で友好協力条約締結を目指す考えを示し「日中関係の前向き打開、朝鮮半島問題の平和的解決、歴史問題などを対話によって一つひとつ解決し、北東アジア規模での友好協力条約締結をめざしたい。外交の可能性をトコトン追求することが重要」と呼びかけた。
志位氏は今回の提言について「日本共産党自身は日米軍事同盟を国民多数の合意で解消して、非同盟・中立、独立の日本をつくることを綱領の大方針に掲げているが、今回の提言をまとめるにあたっては軍事同盟が存在する下でも、緊急に実現すべき内容のものとした。つまり軍事同盟に対し賛成・反対の立場の違いを超えて、思想・信条の違い、政治的・イデオロギー的な立場の違い超えて、実現のために広く力を合わせていける内容にまとめあげた」と呼びかけた。
志位氏は党が示した外交ビジョン(いま日本がやるべきは軍事的対応の強化ではなく、ASEAN諸国と手を携え、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)の実現を共通の目標にすえ、すでにつくられている東アジアサミットを活用・発展させて、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくための憲法9条を生かした外交である)の実現を目指した内外での行動をすすめていくことをアピールし具体的提案を示した。
また志位氏は「ウクライナは明日の東アジアと主張し、この問題を大軍拡の口実に利用する動きがあるが、排他的枠組みによる対抗と分断に陥るのでなく、ASEANが現に実践しているように、地域のすべての国を包み込む包摂的な平和の枠組みを安全保障の第一にすえて発展させることが重要だ」と呼びかけた。(編集担当:森高龍二)