海自潜水艦乗組員らに金品提供や接待か川崎重工

2024年07月05日 06:38

 川崎重工業(本社・神戸市中央区)が潜水艦の修理契約を巡り、下請け業者との架空取引で「裏金」をつくり、海上自衛隊潜水艦乗組員らに多額の金品・物品の提供や飲食接待を行ってきた疑いが浮上。裏金は年間1億円を超える額に上るもよう。10年以上前からとの情報もあり、防衛産業に渦巻く「膿」を一掃することが求められる。

防衛省はこの問題を受け、川崎重工業と海上自衛隊の間で締結した潜水艦修理契約に「架空取引に伴って過払いが生じていなかったか、防衛装備庁で臨時調査を実施している」(3日発表)と発表した。

 また「海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員の規律違反の疑いについて調査中で調査を加速、判明した事実関係に基づき厳正に対処する」という。

 川崎重工業は3日、税務調査の結果「神⼾造船⼯場修繕部と取引先企業による架空取引があり、これにより捻出された資金で⾦品や物品の購⼊および飲⾷があり、当社従業員および潜⽔艦乗組員の関与があった疑いが報告された」と公表した。

 そのうえで「本件に関わった⼈の範囲や具体的な⾦品等の流れについては特別調査委員会で調査を進めている」とし「調査終了後に公表する予定」とした。一方、防衛省への過大請求に関しては「現時点(2日までの調査)で確認されていない」とした。(編集担当:森高龍二)