日本共産党の志位和夫議長は24日、都内の明治大学キャンパスで開かれた「東アジアの『平和の準備』をどう進めるか」をテーマにしたシンポジウムで「敵基地攻撃能力の保有と5年間で43兆円もの大軍拡」の日本政府の姿勢に強い警鐘を鳴らした。
特に「日米の指揮・統制機能の一本化、核抑止の強化など『専守防衛』をかなぐり捨てた日米軍事同盟の侵略的強化だ」と危機感を示し、平和憲法の下での「憲法9条」に基づく平和的対案を示す、対話と外交で東アジアに平和をつくるために力を合わせるべきだと訴えた。
日本共産党は4月に「東アジアの平和構築への提言」を発表しており、志位氏が同月17日に国際会議場で行った講演には世界20か国を超える駐日大使や外交官、国内の識者が聴講していた。
提言の骨子は「ASEANと協力し、東アジア規模での平和の地域協力の枠組みを発展させること」。志位氏は「ASEANは1976年に武力の不行使と紛争の平和的解決を誓約した東南アジア友好協力条約(TAC)を締結し、この条約を土台に、粘り強い対話の努力を続け、半世紀前には『分断と敵対』が支配していたこの地域を『平和と協力』の地域へと劇的に変化させてきた」と歴史的な事実を示している。志位氏は粘り強い対話を通して平和実現への継続的な努力の必要をアピールした。
共産党は党の外交ビジョンで「いま日本がやるべきは軍事的対応の強化ではなく、ASEAN諸国と手を携え、『ASEANインド太平洋構想』(AOIP)の実現を共通の目標にすえ、すでにつくられている東アジアサミットを活用・発展させて、東アジアを戦争の心配のない地域にしていくための憲法9条を生かした外交」と平和憲法を生かした外交方針を示している。(編集担当:森高龍二)