憲法記念日 各党、憲法へ姿勢がより鮮明に

2024年05月05日 08:22

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国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という3原則を規定した憲法が施行され77年を迎えた憲法記念日の3日、自民、立憲、維新、共産など各政党が談話や声明を発表。

 国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という3原則を規定した憲法が施行され77年を迎えた憲法記念日の3日、自民、立憲、維新、共産など各政党が談話や声明を発表。政党色を鮮明にした。

 ■憲法改正の早期実現に向け全力で取組むと自民

 憲法改正を目指す自民党は「緊急事態対応、自衛隊の明記、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目を憲法改正の条文イメージとして提示し、国民への説明を重ね、理解を得るための取組みを続けている」とし「衆参両院の憲法審査会で緊急事態などの議論を主導している」と党の姿勢を鮮明にし「国の在り方を定める憲法について国民の議論を喚起していくことは政治の責務」などとアピール。「改正の早期実現に向け全力で取組む」とした。

 ■憲法を国民の手に取り戻そうではないかと遅滞なく改憲実現をと維新・馬場氏

 同じく、改憲推進派の日本維新の会、馬場伸幸代表は代表談話を発表。「我が国の手足を縛ってきた現憲法の課題は明確」などとし、ロシアのウクライナ侵略や中国の軍備増強、台湾有事の現実味などをあげ「国の根幹をなす最高法規が安全保障上の危機を乗り切るだけの実効性を担保しているとは言い難い」と「我が国の平和・安定を守るために憲法改正を遅滞なく実現すべきである」と主張した。

 特に「教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置、自衛隊明記、緊急事態条項創設の5項目について条文案を示している」とし、「国民が主権を行使できる国民投票を早期に実現し、憲法を国民の手に取り戻そうではないか」と呼びかけた。
 
 ■自民党総裁任期中に改憲目指すと国会で主張は異常な事態と強く非難 立憲・泉氏

 立憲民主党の泉健太代表も代表談話を発表。「党綱領に『立憲主義を深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行います』と記している。これは為政者による権力の濫用を抑制する姿勢を明確にしたもの、その上で、国民が国民のために真に必要性を唱える項目について真摯に議論を重ねていくという姿勢を示すもの」と党の立ち位置を説明。

 そのうえで「為政者の立場にあるはずの岸田総理大臣が、現行憲法の遵守義務があるにも関わらず『自らの党総裁任期中に改憲を目指す』と国会で主張している。これは異常な事態」と問題視した。

 また「憲法改正発議ができるのは唯一立法府である国会。岸田総理の姿勢は立憲主義とは程遠いもの。そもそも国民生活が厳しい中、裏金を長年手にし、法律すら守れなかった自民党の議員に憲法改正を任せることはできない」と断じた。そのうえで「憲法3原則を守り、憲法を為政者のための国民統治の道具にせず、国民のため、暮らしのために活かしていく」とアピールした。

 ■「平和国家の理念」ことごとく投げ捨てる暴挙を重ねる岸田政権と警鐘鳴らす共産・田村氏

 また現行憲法を生かす姿勢を鮮明にしている日本共産党の田村智子委員長は「憲法を蹂躙する『戦争国家』づくりの暴走と平和と人権を求め『憲法を守り生かそう』という国民的世論が激しくぶつかり合うもとで今年の憲法記念日を迎えている」との声明を発表。

 声明で「集団的自衛権行使、安保法制を具体化する『安保3文書』の閣議決定から2年、岸田政権は敵基地攻撃能力の保有、軍事費倍増、殺傷兵器の輸出解禁など、歴代自民党政権が憲法にもとづく『平和国家の理念』としてきたものをことごとく投げ捨てる暴挙を重ねている」と強く非難。

 また「4月の日米首脳会談では米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化に踏み切った。この道を進めば、自衛隊は情報・装備とも圧倒的に優位な米軍の事実上の指揮統制のもとに置かれることになる。米軍は『統合防空ミサイル防衛(IAMD)』の基本方針に『同盟国とのシームレスな統合』を明記、米軍の公式文書では、そのために『主権の一部を切り離させる』ことまで明記しており、日米軍事同盟の歴史的大変質であり、日本国憲法を根本から蹂躙し、『日本を守る』どころか、日本の主権も国民の命と安全も脅かす危険極まりない道と言わなければなりません」と警鐘を鳴らした。

 そのうえで「立憲主義を土台とする市民と野党の共闘で、自民党政治を終わらせ、憲法を生かした希望ある政治へと変えるため、日本共産党は全力をつくす」としている。(編集担当:森高龍二)