確証できなければ「安全最優先」で原発再稼働認めず。原子力規制委員会の審査チームは日本原子力発電が再稼働を目指す福井県にある「敦賀原発2号機」の安全審査で新規制基準に「不適合」との判断を示した。
原子炉直下にある断層が動く可能性を否定できないとした。今月末の規制委員会定例会に審査チームの結果が報告され、追認されれば再稼働はなくなり、廃炉となる。審査チームが客観的な判断で「不適合」としたことで、原発再稼働を進める政府から離れた客観的な立場での独立性が示されたとも評価できよう。
敦賀原発2号機の原子炉は活断層までの距離が250メートル。活断層から枝分かれの断層に活動性があるかが問われたが、活断層が動けば、枝分かれの断層も連動する可能性を重視した。再稼働を認めない判断が出されれば、原子力規制委員会発足以来「初」の判断となる。
日本原電は同日「K断層(枝分かれの断層)の活動性及び連続性を否定するために様々なデータ を提出してきた。審査会合や現地調査の議論を踏まえ、今後も追加調査やデータの拡充に取り組んでいく。引き続き2号機稼働に向け取り組んでいく」とのコメントを発表した。
日本共産党の山添拓参院議員(弁護士)は「すでに2015年、規制委の専門家会合が活断層の可能性を指摘していたが日本原電は反論。審査のための地質データの無断書き換えまで行っていた。このまま廃炉しかない」とXで発信した。(編集担当:森高龍二)