世界的規模で絶大な人気と憧れを集め続ける、イタリアの自動車メーカー「フェラーリ」。そのフェラーリが2月28日、衝撃的な発表を行なった。フェラーリも遂に、限定生産ながらハイブリッド車を市販するというのだ。
フェラーリは、3月5日にスイスで開幕する「ジュネーブモーターショー13」の会場において、「ニュー・リミテッド・エディション・スペシャルシリーズ」いわゆる『F150』と呼ばれている限定生産車を世界で初めて公開すると発表したが、このF150こそが、フェラーリ史上初の市販ハイブリッド車となる。
フェラーリは、2007年の設立60周年以降、積極的な事業展開を行なっており、実は2010年にはすでに「ジュネーブモーターショー10」で、フェラーリ初のハイブリッドシステムである「HY―KERS」を搭載した「599 HY―KERS」を公開している。今回限定生産されるF150は、そのHY―KERSのシステムに、F12ベルリネッタ用の、最大出力740psの6262cc V型12気筒ガソリンエンジンを組み合わせた最新版となるようだ。
このF150に搭載される最新版のHY―KERSは、2モーター方式が採用されており、デュアルクラッチ・トランスミッションと1つめのモーターが一体設計されている。また2つめのモーターは、エンジンの前方にレイアウトされている。これらの2つのモーターはバッテリーと接続され、減速時にはジェネレーターの役割を果たすのだ。そして、そこで発生した電力は、バッテリーに蓄電されるシステムになっている。フェラーリの発表によると、このHY―KERSシステムを使用することで、同社のフラッグシップスーパーカーである「エンツォ・フェラーリ」と比較して、0―200km/hの加速タイムを約10%も短縮し、排出ガス性能にいたっては、およそ40%も低減することに成功している。
ちなみに、フェラーリは2008年には同社初のクーペカブリオレ「カリフォルニア」を翌2009年にはフェラーリ初のV型8気筒直噴エンジン搭載の「458イタリア」を相次いで発売、また同年には、フェラーリ初のアイドリングストップ機能「HELE」を搭載した「カリフォルニアHELE」を発表、さらに2011年にはフェラーリ初の4輪駆動システムを持つ「FF」(フェラーリ・フォー)を発表するなど、毎年のように「フェラーリ史上初」を世に送り出している。
その結果、2008年のリーマンショック等で混迷する世界経済の中にあっても、欧米諸国や日本をはじめとする主要都市で好調な販売成績を維持し続けている。挑戦を続ける限り、イタリアの跳ね馬はこれからも時代の先頭を走り続けることになるだろう。(編集担当:青木敏明)