自衛隊へ関心呼び込みへ5年間で小中生体験倍増

2024年08月13日 08:36

EN-re4_53

政府は「希望者のみで自衛隊を維持する」必要があり、入隊希望者をいかに増やすか、日常的な広報活動の在り方が大きな課題になっている

 自衛隊への理解や関心をもってもらい入隊希望者を増やそうと「基地・駐屯地への見学」や「職場体験」「講演」など小中学生とのふれあい機会件数が2019年から2023年の5年間で「体験」が721件(19年度)から1482件(23年度)に倍増、講演が82件から207件に2.5倍に増えた。

 日本共産党の紙智子参議院議員が防衛省に請求した資料開示で分かったと党機関紙赤旗が報じた。こうした活動は全国の自衛隊地方協力本部などが企画し、自衛隊入隊の契機になればと取組んでいる。

 赤旗によると、小中学生対象の基地など見学部門では全国で937件、体験が1482件、講演207件の計2626件になった。特に多かったのは愛知県の455件、次いで岐阜県222件、北海道の157件だった。

 自衛隊の新規採用数は、23年度は採用想定人数1万9598人に対し、9959人の採用にとどまり、採用充足率は50.8%とほぼ半分にとどまった。少子化のうえ、安倍政権下で憲法9条の解釈変更が行われ、集団的自衛権の行使が一部で容認されて以来、これまで以上にリスク意識が高まったことから入隊希望者が減り続けている。

 一方で安倍総理(当時)は「徴兵制は苦役にあたり、憲法違反になる」と国会答弁で「現行憲法下では将来にわたって徴兵制はとれない」と徴兵制導入はできないと明確に答弁をしている。

 政府は「希望者のみで自衛隊を維持する」必要があり、入隊希望者をいかに増やすか、日常的な広報活動の在り方が大きな課題になっている。(編集担当:森高龍二)