日産自動車、15年ぶりにフルモデルチェンジ 上級ミニバンの礎、エルグランドは日産の救世主たり得るか?

2025年04月24日 06:56

Nissan ELGRAND

公開された4代目・新型エルグランドのティーザー画像 搭載されるパワーユニットである第三世代e-Powerに期待が高まる

 「KING of Minivan」のキャッチフレーズで1997年にデビューした日産エルグランド。3ナンバーの大柄なボディを活かした存在感あふれるスタイリング、ゆとりのある室内と長時間快適に過ごせるシートを備えた上質な内装を両立させ、大排気量のV型6気筒エンジンによる卓越した運動性能は、国産上級ミニバンの先駆として、自動車シーンに新たな市場を開拓した。

 ヒット作には必ずコンペティターが現れるもの。エルグランドにも必然の現象だった。2002年にはトヨタが「アルファード」を投入。ホンダも「エリシオン」を発売する。エルグランドも2代目に移行するも競合他車の追撃は厳しい。エルグランドは高級路線を重視してV型6気筒モデルを中心に訴求する。対するトヨタは得意のハイブリッドモデルを設定。同時に、乗り出し価格が廉価な直列4気筒ガソリンエンジン車も用意する。エルグランドにとって厳しい包囲網が敷かれる。

 2010年に3代目を投入したエルグランドなれど、2年先行してモデルチェンジしたアルファードは兄弟車ヴェルファイアと共に布陣を固める。以降、トヨタの2大巨頭の進撃が続くわけだ。

 そのエルグランドが劣勢を跳ね返すべく、15年ぶりにフルモデルチェンジすることが正式に発表された。日産が一部ティーザー画像を公開したのだ。

 日産によれば、4代目となる新型エルグランドは、第3世代となる日産得意のシリーズ型ハイブリッドシステム e-POWER を搭載し、今年度後半に公開、2026年度の発売を予定するという。

 第3世代e-POWERは、新開発となる発電専用1.5リッターエンジンと、モーターやインバータなど5つの部品を一体化することにより軽量化した「5-in-1」モジュール方式を採用し、大幅な静粛性と燃費の向上を実現するという。第2世代までのe-POWERの弱点とされた高速域でのドライバビリティと燃費が改善される新システムだという。

 今回の発表では、新型エルグランドの内装をはじめ、スペックや価格などの詳細は公開されていない。この先、2026年度の発売に向けて徐々に明らかになっていくとみられる。日産起死回生の大切なひと駒、期待は大きい。(編集担当:吉田恒)