ACSA締結に向け交渉開始へ合意 日比首脳

2025年05月01日 09:59

 石破茂総理は29日、フェルディナンド・マルコス・フィリピン大統領と会談。安全保障面での連携強化へ、物品役務相互提供協定ACSAの締結に向け交渉を始めるとともに情報保護協定の早期締結へ政府間で議論していくことで一致した。

 また地域の安定に向けた抑止力強化を図るとして、防衛装備技術協力などを引き続き重層的に推進する。合わせて海上保安分野でも拠点整備や能力向上支援、日米比での合同訓練を通じ、連携を深めていくことを確認した。

 外務省によると経済面でも両首脳間で(1)情報通信分野に関し、フィリピンにおいて、JBICが支援する海底ケーブル事業及びオープンRAN実証実験を通じた5G通信ネットワーク構築に日本企業が参画していることを踏まえ、フィリピンの経済強靱化のために官民連携を強化する。

 (2)フィリピン国内のLNG設備拡大に向け、官民連携していく重要性を確認。「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」を通じた協力や強靱なエネルギーサプライチェーン構築に向けた協力を両国で進めていく。

 (3)防災分野でフィリピンにおける治水や早期警報システムの整備を支援していく。また農産物分野での緊密連携やフィリピンにおけるインフラ整備について官民連携して取り組んでいくことを確認した。

 国際情勢では中国を念頭に「東シナ海及び南シナ海情勢について議論、力による一方的な現状変更の試みに反対することを確認した」としている。(編集担当:森高龍二)