維新がスパイ防止基本法案の臨時国会提出めざす

2025年10月05日 08:44

 日本維新の会は3日までに党内で進めている「インテリジェンス改革」と「スパイ防止基本法」策定への中間論点を公表した。今年の臨時国会への法案提出をめざすとしている。

 それによると外国勢⼒による⽇本国内での諜報活動⾃体を犯罪要件とする法律が存在しないなどとし、インテリジェンス統括組織としての内閣情報調査室及び内閣情報官を「国家情報局及び国家情報局⻑」に格上げする。

 また独⽴した「対外情報庁」を創設するほか、省庁横断的な「情報要員(インテリジェンス・オフィサー)養成機関」を創設するとしている。

 また防諜体制強化のため「スパイ防⽌基本法」、「外国代理⼈登録法」「ロビー活動公開法」の制定と各種新法制定、法改正を⾏う。

 同党安全保障調査会のタスクフォースは「現在の特定秘密保護法等では刑罰が軽微なものに留まっており、漏洩情報によっては⾃衛官等が⼤量に死ぬこともあり得、国⺠の⽣命財産に甚⼤な被害が出ることもあり得る」などとし「厳罰化が必要」とアピール。

 同党は「スパイ防止基本法」を「本年の臨時国会に提出することを目指す」とし「⽇本国内における外国勢⼒の諜報活動⾃体(秘密探知⾏為等)を犯罪要件とする。スパイ活動⾃体を罰する法令整備においては過去のスパイ活動の検挙事例を参考に、現⾏法令の刑罰との擦り合わせを⾏うことが重要であり、⾏政主導で整備する⽅向とする。当該法案制定にあたっては⽇本国⺠の⼈権に配慮した内容とする」などとしている。

 スパイ防止法に関して日本弁護士連合会は1985年に政府が制定を目指し、自民党が国会に提出した法案に関して「防衛・外交にかかわる『国家秘密』の内容が実質的に広範囲・無限定で行政当局の恣意的専断を許すことになる」と指摘した。

 また「探知・収集、外国に通報、他人に漏らすなどの実行行為及び過失犯など行為類型もすべて広範囲・無限定で、調査・取材活動、言論・報道活動、日常的会話等のすべてが含まれるなど、刑罰による権力的統制が国民の言論活動と日常生活のすみずみに至るまで広く波及し、国民主権主義と民主主義の根幹が脅かされるおそれは、まことに大きい」と強く民主主義への危険性を訴えていた経緯がある。(編集担当:森高龍二)