内閣府の調査によると、世界の総人口に占める65歳以上の者の割合、いわゆる高齢化率は、1950年の5.1%から2020年には9.4%に上昇しており、さらに2060年には18.7%にまで上昇するものと見込んでいる。
高齢化社会を背景に、世界的に大きく成長しているのがアンチエイジング化粧品市場だ。市場調査会社Fortune Business Insightsのレポートによると、世界のアンチエイジング化粧品市場規模は、2018年に3862億米ドルと評価されており、2032年までに65.16億米ドルに達すると予測。とくに保湿やシワ予防などのスキンケア製品は需要が高くなっている。
そんな中、9月16日にフランスで開催された、第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)大会での日本企業の発表が注目されている。
国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)は、1959年に設立された、世界中の化粧品技術者による、より高機能で安全な化粧品技術の開発を目指す国際的な組織で、日本化粧品技術者会(SCCJ)の上部組織にあたるものだ。世界各地81地域におよぶ51のSocietyが加盟し、総会員数は約16000名を誇る。その国際学術大会で注目を集めたのが、株式会社山田養蜂場の自社研究機関である山田養蜂場グループ 美容科学研究所の岡本秀人氏による、ローヤルゼリーの肌に対する有用性についての研究報告だ。
同社の研究によると、ローヤルゼリー及びローヤルゼリー由来の脂肪酸(10-ヒドロキシ-2-デセン酸など)が細胞老化を抑えながら表皮幹細胞の活性を高めることで、肌の老化状態を改善し、若返りや再生を促す可能性が示されたという。
ローヤルゼリーは、同社のこれまでの研究でも、肌に対してさまざまな有用性を示すことが明らかにされており、例えば、表皮角化細胞において、抗酸化・細胞保護作用に関わる NQO1 の遺伝子発現を促進することや、ヒト試験において、皮膚に塗布または飲用することで、保湿作用を示すことなどが報告されていた。しかし、肌に対する有用性の作用機序には不明な点も多く、表皮再生や老化抑制のメカニズムも検証されていなかった。
本研究では、三次元表皮モデルとヒト表皮由来角化細胞を用いて、ローヤルゼリーが表皮構造や表皮幹細胞にどのような影響を与え、細胞老化にどのように関与しているのかを調べたところ、ローヤルゼリーは表皮幹細胞を活性化して表皮の厚みを向上させることが明らかとなり、細胞老化を抑制することで、幹細胞の活性を高めることが示されたという。
ローヤルゼリーが全身に作用するメカニズムについては、依然として不明瞭な点が多くあるものの、肌の老化を抑制し若返りや再生を促す可能性が科学的に示されたことで、今後の美容業界でますますローヤルゼリーが注目されるようになることは間違いないだろう。古くは古代エジプトの女王クレオパトラも愛用していたといわれるローヤルゼリー。さまざまな効果がエビデンスとして解明されつつある今、ローヤルゼリー配合のスキンケア⇒トルツメ化粧品が世界中でブームを巻き起こす日は近いかもしれない。(編集担当:石井絢子)













