■トンネルを抜けたNTNは航空宇宙とインド市場で花が咲く?
NTN(6472)の2026年3月期の通期業績見通しは、売上高が2.5%減の8050億円、営業利益は13.2%増の260億円、経常利益は24.1%増の130億円、当期純損益は40億円の赤字となっている。
従来、主にトランプ関税の影響で最終赤字60億円を予想していたが、赤字幅を20億円縮小した。トランプ関税によるコスト増加分を価格に転嫁する売価改善、調達先の見直しなどで固定費を削減できた他、想定為替レートも見直したことで、最終赤字見込みだった4~9月中間期は31億円の最終黒字で着地。主力の自動車分野はトンネルを抜けて、前期に238億円を計上した通期の最終赤字を大幅に圧縮する。
2026年で期待されるのはまず航空宇宙分野でのベアリングの伸びで、現状、防衛分野もヘリコプターも好調を維持している。フランスのNTNヨーロッパの生産拠点では2030年度までに50億円以上を投資し、新設備の導入、建屋の拡張・改修などで生産能力を4割増強する計画。変減速機向け、風力発電向けも業績のV字回復が見込まれる。地域的には、自動車向けの「CVJアクスル」では成長するインド市場で20億円強を投資しており「2030年度までに2024年度比で売上高倍増」を事業目標に掲げている。3年間で350億円を投じる構造改革「DRIVE NTN100」Finalの効果も本格的にあらわれ、2026年は業績がさらなる上昇軌道を描くだろう。
■日本精工は株主還元も意識した新中期経営計画を策定すると示唆
日本精工(6471)の2026年3月期の通期業績見通しは、売上高が11.1%増の8850億円、営業利益は5.4%増の300億円、税引前利益は15.5%増の290億円、当期利益は50.3%増の160億円という増収増益となっている。
最終利益は従来予想を90億円上方修正し、見込みが減益から増益に変わった。その主因はステアリング事業で持分法適用会社を完全子会社化したことで2.5倍という大幅な営業増益が見込めることだが、主力の産業機械事業、自動車事業でもトランプ関税によるコスト増加分を全て価格に転嫁することができ、生産コストの減少、構造改革効果などもあいまって業績が堅実に改善している。その流れは2026年も継続すると思われる。
2026年度は、2022年度からの5か年の「中期経営計画」の最終年度にあたるが、市井明俊社長は、市場環境の回復が想定よりも遅れていることを挙げて、中計を2026年春にも見直すと示唆している。
新たなテコ入れが図られる新中計では、ヨーロッパ地域を中心とする構造改革、自動車の電動化対応などで競争力を高める一方で、株主還元にも経営資源を配分し、資本効率を意識した経営によってPBR(株価純資産倍率)を改善するという。そんな資本政策と業績改善との相乗効果が出れば、株価の動向には好影響を与えそうだ。
■ジェイテクトは工作機械部門の収益の伸びが注目される
ジェイテクト(6473)の2026年3月期の通期業績見通しは、売上収益が2.4%減の1兆8400億円、事業収益が7.6%減の600億円、営業利益が30.0%増の500億円、税引前利益が45.7%増の450億円、当期利益が45.8%増の200億円となっている。売上収益は為替の円安を反映して上方修正したが減収。利益項目のほうは大幅増益を見込んでいる。自動車、産機・軸受、工作機械の3セグメントとも原価改善の効果が出て利益を拡大している。
「JTEKT Group 2030 Vision(第二期中期経営計画)」によると、2030年度には売上収益2兆円超、ROE10%、2026年度比でPBR1.5倍、事業利益率8%以上という事業目標を掲げている。トヨタ系らしい堅実な目標設定だが、2026年は工作機械部門の収益がどこまで伸びるかが注目される。
ソリューションという観点では、設計から生産までのエンジニアリングチェーンと営業・調達を含むサプライチェーンをデジタルで一気通貫する「デジタルモノづくり」を推進している点が評価されており、2026年4月に日立製作所、リコー、大気社など9社と蓄電池製造設備の共同事業体「Swiftfab」を設立する予定。地域的には成長市場のインドで2027年度稼働開始を目指して新工場を建設中であることもマーケットの期待を集めるだろう。
■ミネベアミツミは注目の成長分野を複数持つことが強み
ミネベアミツミ(6479)の2026年3月期の通期業績見通しは、売上高を上方修正して1.8%増の1兆5500億円、営業利益は5.8%増の1000億円、当期利益は19.4%増の710億円で増収増益となる見込み。不透明で業績見通しに幅を持たせていたトランプ関税の影響が見定まった。モーター・ライティング&センシング、アクセスソリューションズの2部門が2ケタ営業増益となり、業績を押し上げている。
2025年10月にタイから工作機械の生産を移管したカンボジア第二工場が本格的に稼働し、2026年にはここで太陽光発電の売電事業も開始する予定になっている。プノンペン首都圏でタイとの国境紛争地域からは遠い。国内では米子工場で新棟の建設に着手する。
製品は自動車・航空機向け極小ベアリングが主力だが、AIサーバー(データセンター向けファンモーター)、ヒューマノイド・ロボット(ベアリング、ロボットハンド)、自動運転(LiDAR向け車載部品)、ドローン(ベアリング)など、いま注目の成長分野に関わる製品群を持っていることが大きな強みで、それぞれの関連銘柄としてマーケットで注目されることもありそうだ。(編集担当:寺尾淳)













