ロート、第1四半期の大幅な増収増益の要因はアジアの売上利益急増など

2011年09月05日 11:00

 ロート製薬が発表した平成24年3月期 第1四半期決算によると、売上高が前年同期比5.8%増の259億円、純利益が同51.6%増の19億8700万円と、大幅な増収増益であった。要因として挙げられるのは、国内は、東日本大震災の影響によって経済活動に停滞が見られたが、消費者がこれまでよりもよりコストパフォーマンスを重視した購買行動に移行したことによって、スキンケアブランド「肌研(ハダラボ)」をはじめとしたビューティー関連品が好調に推移したことが挙げられる。新ブランドの参入が相次ぎ、市場全体も伸びている低価格帯化粧品(2,000円以下)市場の中で、同ブランドの売上は前年同期に比べ約5億円増の約34億円を達成しており、”コスメ業界のユニクロ的存在”と評される同ブランドに対する高い支持をうかがわせた。さらに、猛暑と節電志向を反映して、清涼感のある目薬「ロートジー」や、男性用スキンケアブランド「オキシー」の冷却デオシャワーを始めとした商品が好調であったことに加え、日焼け止めなどの盛夏関連商品も順調に推移した。

 海外では、アジアが前年同期比38%増収と成長を牽引している。アジアでも「肌研」は好調に推移しており、ほかに日焼け止めや男性用スキンケア、目薬といった広域な商品群も好調に推移した。中国をはじめ台湾やインドネシアなどアジア全域で好調であり、連結の営業利益の21%を占めるまでに成長。今後はアジア地域の順調な成長が続くことによって連結業績が伸びることが予想される。尚、第1四半期決算は大幅な増収増益を達成したが、7月以降の国内の天候不順と消費動向が不透明であることを受けて、通期予想は据え置いた。

 今夏の電力需給の逼迫については、同社の主要工場は中部電力管内の三重県にあり、特に大きな影響を受けることはなかったが、事前対策としてベトナムに今年、国内工場と同等の生産能力を誇る目薬の第2ラインを設置した。従来のラインはヨーロッパの品質管理基準に準じていたため日本向けの輸出はできなかったが、新しいラインは全世界に輸出できる基準に準じており、今後同様の事態に陥った際にもリスクの分散を行える。