都心オフィス、空室率1%台前半で推移。大型再開発ビルへ需要が集中する背景

2026年03月12日 17:41

画・後継者不足の企業にミロク情報サービスが事業継承サポート 

東京の空室率が低水準に。森ビル調査で供給抑制も鮮明、ビルグレードによる格差拡大

今回のニュースのポイント

・都心5区で空室率1%台前半: 三鬼商事の調査によると、2025年12月時点の都心5区の平均空室率は1%台前半となっています。新築の大型オフィスビルを中心に成約が進み、好立地の物件で空室が出にくい状況です。

・主要エリアへの供給集中: 森ビルの「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2024」では、今後5年間の年平均供給量は約85万㎡と、過去の平均を下回るとされています。このうち大半が都心の主要ビジネスエリアに計画されており、立地条件が稼働率に影響しやすい構造です。

・ハイブリッド勤務と移転需要: 野村総合研究所の「働き方と郊外・地方移住に関する調査」では、2024年7月時点で「毎日出社」が47.4%、「週3日以上出社」が7割超とされています。出社とテレワークを組み合わせる働き方を前提に、設備や立地条件を重視したオフィスへの移転が進んでいます。

 東京のオフィス市場では、都心部の空室が限られた状態が続いています。三鬼商事のオフィスマーケット調査によると、2025年12月時点の都心5区の平均空室率は1%台前半となっています(同社発表値)。背景には、働き方の変化に対応するために「オフィスの質」を重視する動きがあります。

 野村総合研究所が2024年に実施した「働き方と郊外・地方移住に関する調査」では、大企業社員の「毎日出社」は47.4%にとどまり、「週3日以上出社」が7割超となっています。出社とテレワークを組み合わせるハイブリッド勤務の運用を前提に、オフィスを見直す企業が増えています。三菱地所リアルエステートサービスなどの調査によると、東京主要5区の大型オフィスビルでは潜在空室率が1%台まで低下しており、再開発ビルを中心に事前のテナント確保が進んでいます。

 需給に影響しているもう一つの要因が、供給量と立地の偏りです。森ビルの「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2024」によると、2024〜2028年の5年間における年平均供給量は約85万㎡と、1986〜2023年の年平均約103万㎡を下回る見通しです。同調査では、今後の供給の大半が都心5区などの主要ビジネスエリアに集中するとされており、大型再開発ビルへの需要が高い状態が続くと見込まれています。

 一方で、立地やビルグレードによる差も指摘されています。都心の空室率が低い水準で推移する一方、周辺エリアでは空室率が相対的に高い例も見られます。ザイマックス不動産総合研究所のオフィス需要調査では、通勤時間やオフィス環境を理由に拠点を見直す企業が一定程度存在し、複合開発を含む利便性の高いエリアへの移転ニーズも確認されています。

 今後は賃料水準の推移も注目されています。三鬼商事や三菱地所リアルエステートサービスのデータでは、都心の平均募集賃料が、直近では上昇傾向で推移していることが示されています。市場関係者の間では、都心の好立地ビルを中心に、今後数年で賃料がコロナ禍前の水準を上回る局面もあり得るとの見方が出ています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)