公明党の山口那津男代表は18日、急激な円高と世界全体での株安進行の中で、政府の対応は緩慢で、緊張感が欠落しているとして、迅速な政策立案と執行を求め、円高対策を含む総合経済対策に関する緊急提言を発表した。
山口代表は「オールジャパンの英知を結集し、総合経済対策を早急に策定することが必要」とし「第2次補正の予備費の活用、第3次補正への対応策盛り込みなど、与野党間で協議の上、対策を策定することを求めたい」と民主・自民らに呼びかけた。
エネルギーに係わる分野では「電力多消費型経済からの転換と原発基幹型発電体制の見直しが必要」として、再生可能エネルギーの導入促進とともにスマートグリッドの早期導入と送電網の開放による地域分散型エネルギーの導入促進、列島縦断の直流高圧・高容量幹線送電網を整備することを提言している。
今回の緊急提言は大きく6つの柱でまとめられており、具体的には(1)戦略的・包括的な円高対策の構築(9月のG7には新しい財務大臣で臨み、欧米など主要国と連携強化を図り、協調して為替安定策を実施する。急激な円高の動きには追加的な為替介入を。日銀による積極的、持続的な金融緩和など)(2)災害に強い日本の構築に向けた社会資本整備(公共投資の前倒し執行と中小事業者への優先発注など)(3)中小企業支援策の強化(資金繰り対策の拡充、二重債務問題への対応など)(4)雇用の確保(緊急雇用創出事業、ふるさと雇用再生特別基金事業などの積み増しや期間の延長など)(5)需要喚起策、電力不足への対応(節電エコポイントの導入や住宅エコポイントの再導入、家庭・事業者の蓄電池の導入促進、再生可能エネルギーの導入促進など)(6)産業空洞化防止対策、成長戦略の加速(国内の企業立地の促進や新たな成長の種を育てる成長戦略の確立・実行)を提言した。