今回のニュースのポイント
日銀が企業向けサービス価格指数を公表:2026年3月の速報値を発表し、企業間で取引されるサービスの価格動向を明らかにしました。
前年比で3.1%の上昇:総平均指数は113.5(2020年平均=100)となり、継続的な上昇基調が示されています。
宿泊や運輸などで上昇が顕著:特に宿泊サービスが前年比10.5%増、運輸・郵便が4.5%増と、特定の分野が全体を押し上げています。
人手不足など構造要因が影響:賃上げや労働力不足を背景としたコスト増を価格へ転嫁する動きが、サービス分野でも見られつつあります
日本のインフレの姿が変わりつつあります。日本銀行は2026年4月24日、3月の企業向けサービス価格指数(速報)を公表しました。今回のデータからは、これまで物価上昇を牽引してきた原材料などの「モノ」の価格に代わり、サービス価格の上昇の動きが確認されています。
3月の企業向けサービス価格指数(総平均)は、前年同月比で3.1%の上昇となりました。前月比でも1.2%上昇しており、指数水準は2020年を100として113.5に達しています。特筆すべきは、国際運輸を除く総平均でも前年比2.8%増と、サービス全般で継続的な上昇が確認されている点です。
背景にあるのは、深刻な人手不足とそれに伴う賃上げの影響です。これまでのインフレは輸入エネルギーや食料品などのコスト増が主因でしたが、現在は人件費の割合が高いサービス分野へ価格転嫁が波及する動きが見られます。実際に、清掃や警備などを含む「建物サービス」が前年比3.4%増、製造・物流などの「労働者派遣サービス」が2.9%増となっており、労働力に依存する分野の価格上昇が目立っています。
内訳を見ると、変化の兆しはより鮮明です。特に上昇が目立つのは「宿泊サービス」で、前年比10.5%という高い伸びを記録しました。また、外航貨物輸送の大幅な上昇(前年比42.1%)や国内航空旅客輸送(4.2%)など、国際運賃の変動も含めた物流・人流コストの上振れが指数を押し上げています。リース・レンタル分野でも電子計算機関連や建設機械リースを中心に2.8%上昇しており、幅広い企業間取引でコスト増が共有されています。
今回の企業向けサービス価格の動きからは、インフレの性質が「輸入コスト主導」から「国内のサービス・賃金主導」へ移行の動きが見られます。企業間で取引されるサービス価格の上昇は、やがて運賃や宿泊費、外食費といった形で消費者の生活コストへと波及していきます。特に宿泊や旅行サービスの指数が高止まりしていることは、家計の支出増に直結する要因となります。
今後の焦点は、このサービス価格の上昇が、賃上げによる所得増とバランスを保ちながら持続できるかという点にあります。付表では、2025年度の企業向けサービス価格指数(総平均)の年度平均も前年度比2.9%増と、高い伸びを維持していることが示されています。今後は、この企業向け価格の動きが消費者物価へどの程度のスピードで波及し、個人消費への影響を左右する要因となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













